経団連の中西宏明会長は6月2日、東京・大手町の経団連会館で、同日開催の定時総会後に新任の副会長4名とともに記者会見を行った。

中西会長は、新型コロナウイルス感染症拡大防止に関して、「現下の感染予防策は国民の行動変容に基づいており、行動範囲が広がれば感染拡大がどうしても起こり得る」と指摘。爆発的な感染を防ぎつつ、経済活動と両立させることが課題になるとの認識を示した。

また、経済・雇用情勢が新型コロナ問題により大打撃を受けていることに対して、「経団連は新体制のもと、日本経済を再び経済成長に回帰させるべく行動する」と決意を表明。目下の最優先課題は雇用の維持・確保であるとしたうえで、「倒産を極力回避するとともに、雇用調整助成金をはじめとする政府の支援策を活用しつつ、雇用維持に最善を尽くす」と述べた。さらに、倒産により失業した人が他産業にスムーズに移行できる制度整備の重要性も強調した。

懸念が広がる米中対立の問題に関しては、自由で開かれた国際経済秩序を回復するため、諸外国との連携も含めて多面的な対応が求められるとしたうえで、「政府と連携しつつ、さまざまなチャレンジを通じて民間外交を積極的に展開していく」との方針を明らかにした。

【広報本部】