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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2020年10月15日 No.3471 提言「ポストコロナを展望した少子化対策の推進に向けて」を公表

坂本大臣(右)と隈副会長(左)

経団連は10月8日、新たな視点での少子化対策を提案すべく、提言「ポストコロナを展望した少子化対策の推進に向けて」を取りまとめ公表するとともに、10月9日に経団連の隅修三副会長が坂本哲志内閣府特命担当大臣(少子化対策、地方創生)に同提言を建議・手交した。

わが国における出生数は減少傾向が続き、90万人を割った。このままの状況が続けば、経済社会が縮小均衡に陥るほか、国民生活全般に深刻な影響を及ぼす懸念がある。他方、コロナ禍により、人々の働き方や暮らし方、価値観等が変わりつつある。同提言は、こうした状況を踏まえ取りまとめたもの。

1. ポストコロナを展望し、目指すべき将来像

コロナ禍によるテレワーク等の活用や東京一極集中のリスクの顕在化に伴い、経済・社会環境や人々の意識に変化が生まれている。

従来の少子化対策の強化とともに、新たな2つの将来像を目指して「働きながら希望する数の子どもを産み育てることが経済的にも社会的にも尊重される社会」を実現し、少子化の解決を図るべきである。

  1. (1) 多様で柔軟な働き方を可能にし、人生の選択肢が広がる
    テレワーク等、場所や時間にとらわれない働き方の普及により、夫の家事・育児時間が増えるなどの効果があった。今後は仕事と子育ての両立支援の観点からも、新たな働き方の普及・定着が必要である。

  2. (2) 分散型社会を実現し、持続可能な地域社会を再生する
    地方移住への若年層の関心の高まりを踏まえ、魅力ある地域づくりに向けて、雇用の確保、生活・文化面での機能の充実が求められる。

2. 当面取り組むべき政策課題への考え方

その他、提言では、以下4つの課題について述べている。

  1. (1) 子育て支援の充実
    待機児童は全国に約1.2万人おり、引き続き重要な課題である。保育の質の向上等を含め、少子化対策は社会全体で支える観点から税財源で対応することを基本とし、ワイズスペンディングの視点を徹底すべきである。

  2. (2) 男性の家事・育児のあり方
    男性の家事・育児のあり方
    働き方改革の推進や育児休業取得促進、経営トップが主導する職場の雰囲気づくりを通じて、男性の育児を支援すべきである。

  3. (3) 女性の就業継続支援
    子育てを理由に退職した社員の再雇用や短時間正社員等、働き方の選択肢の拡大や、不妊治療と仕事の両立支援が重要である。

  4. (4) Withコロナにおける若者の出会いの場のあり方
    人と人との直接の出会いの場が減少するなか、オンラインによる「場所を問わない」新たな出会い方が、若年層の結婚・出産希望の実現の一助となることが期待される。

【経済政策本部】

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