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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2020年10月15日 No.3471 B20サウジアラビアと経団連が合同オンライン会合を開催

鈴木外務審議官(左)と隈副会長(右)

経団連は9月24日、今年のG20ビジネス・サミット(B20)議長であるB20サウジアラビアと合同会合をオンラインで開催した。110名が参加し、B20サウジアラビアの活動状況や日本政府の取り組みについて説明を聴くとともに意見交換を行った。概要は次のとおり。

■ コロナ禍の克服には国際協調が不可欠(隅副会長)

冒頭、経団連を代表してあいさつした隅修三副会長は、新型コロナウイルス感染症拡大を防ぎつつ経済活動を継続するにはデジタル技術がカギを握ると指摘したうえで、この機にデジタル革新を加速すべきだと強調した。また、コロナ禍の克服には国際協調が不可欠とし、11月のG20で強力なメッセージを発し、国際協調を推進することに強い期待感を示した。

続いてあいさつしたアブドゥルワッハーブ・アル=サドゥーンB20サウジアラビアシェルパ(議長の補佐)は、統一テーマである「包摂的な成長への転換」に向け、女性の活躍に加え、デジタル、貿易・投資、金融・インフラ、エネルギー・持続性・気候など計7分野で、新型コロナにより対面での会合を行えないなかでも、電話会議等を重ねることでコンセンサスを形成し、政策提言を取りまとめたことを紹介した。

■ ポストコロナの国際ルールづくりを日本がリード(鈴木外務審議官)

来賓としてあいさつした外務省の鈴木浩外務審議官(G20シェルパ)は、B20による提言が長きにわたりG20の議論を有意義なものにしてきたと述べたうえで、(1)ワクチンの開発と普及に向け、日本が各国のパートナーと協力すること(2)ポストコロナの国際秩序づくりとして、(ア)感染抑止と両立したうえでの国境を越えた人・モノの移動の再開(イ)自由貿易体制の維持・発展(ウ)自由なデータ流通のためのルールづくりを日本がリードしていくこと(3)イノベーションを通じ、社会変革を推進すること――の重要性を強調した。また、新型コロナへの対応において、SDGs(持続可能な開発目標)が掲げる「誰一人取り残さない」という考え方の重要性を指摘し、「人間の安全保障」を主導してきた日本としても、国際社会と連携しつつ取り組みを加速させていくと述べた。

■ コロナ対応、ポストコロナの課題の処方箋

続いて行われたパネルディスカッションでは、デジタル、貿易・投資、金融・インフラ、エネルギー・持続性・気候の4分野において、各分野の政策提言を取りまとめたタスクフォースの議長など主要メンバーが登壇した。コロナ禍で生じた課題に関して、医療・食料品に対する保護主義的な措置の回避・撤廃が必要と指摘されたことに加え、ワクチン開発に向けAIを活用するとともにデータを共有することが必要との意見が出された。また、ポストコロナの課題としては、気候変動問題の解決に向けた革新的技術の開発やサステナブル・ファイナンスの推進が必要との主張が繰り広げられた。

【国際経済本部】

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