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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2020年11月19日 No.3476 「Society 5.0に向けて求められる初等中等教育改革 第二次提言」を公表

経団連は11月17日、「Society 5.0に向けて求められる初等中等教育改革 第二次提言」を公表した。

経団連では今年7月、ウィズコロナ時代に短期的に求められる初等中等教育改革の取り組みを中心に「第一次提言」を公表(7月16日号既報)した。

その後、政府の中央教育審議会では、今年度中に新しい時代の初等中等教育のあり方に関する答申案を取りまとめる予定であり、第一次提言で取り上げていない課題も検討されている。

そこで第二次提言では、そうした課題を含め、Society 5.0に向けて求められる初等中等教育に関する考え方を提示した。

■ 高等学校教育改革

現状、高校生の学習意欲・態度が二極化していることから、各高校は、生徒の多様性に配慮した特色・魅力ある教育を実現しつつ、「高校生のための学びの基礎診断テスト」を活用して基礎学力の定着を保証することで、生徒の学習意欲を喚起すべきである。

また、教科学習で得た知識を実社会の問題発見・解決に活かすSTEAM教育を推進するため、各校でSTEAM教育の要素を取り入れた探究型学習の実施が求められる。そのほか、情報教育の充実のため、情報科を専門的に指導できる教員の養成や特別免許の活用促進による社会人採用の拡大等が必要である。

■ 学校教育のICT化・デジタル化

一律一斉形式の授業とEdTechを活用した個別最適学習とのハイブリッドな授業が展開される次世代の学校を実現するには、GIGAスクール構想の着実な実施や遠隔・オンライン教育の環境整備等により、学校教育のICT化・デジタル化を推進する必要がある。

また、紙の教科書に替わってデジタル教科書を主たる教材と位置づけ、移行期を経てこれに完全移行すること、動画・音声等のコンテンツを利用できるデジタル教科書の普及を前提に教科書検定制度を見直すこと、デジタル教科書を無償給与の対象とすること等が求められる。

■ 教育格差の是正

新型コロナウイルスの感染拡大を受けた学校の臨時休業が、家庭のICT環境の差を通じて教育格差の拡大につながったと指摘されることから、貧困のためICT環境が整っていない家庭へのモバイルルーター・端末の無償貸与等の教育費用補助の拡充によるウィズコロナ時代の新しい学習環境の構築が求められる。また少人数学級とEdTechを活用した個別最適学習が実現すれば、習熟度が低い児童生徒へのきめ細かい指導が可能となり、経済的に恵まれない児童生徒が低学力から脱する可能性が高まることが期待できる。

このほか、コロナ禍でのグローバル教育実践のためのICT活用による海外の学校との国際交流の促進、EBPMによる授業改善・教育政策の見直し、日本語指導を必要とする児童生徒数の増加に応じた日本語指導教員の確保、在留外国人の子女の就学状況の把握と就学支援、今後の教員に必要とされる指導法等を教員養成課程で学ぶ機会の確保、学校への多様な外部人材を供給する仕組みの構築等を求めている。

【SDGs本部】

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