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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2021年1月7日 No.3482 「未来の教室」プロジェクトと数理・データサイエンス・AI教育プログラムについて聴く -教育・大学改革推進委員会企画部会

経団連は12月9日、教育・大学改革推進委員会企画部会(宮田一雄部会長)をオンラインで開催し、経済産業省商務・サービスグループサービス政策課の浅野大介課長から同省が推進する「未来の教室」プロジェクトについて、また文部科学省高等教育局専門教育課の服部正企画官から、政府の「AI戦略2019」に基づく数理・データサイエンス・AI教育プログラムの推進状況について、それぞれ説明を聴いた。概要は次のとおり。

■ 経産省「未来の教室」プロジェクト(浅野課長)

経産省は、(1)さまざまな社会課題に触れ、文理を問わず必要な知識を習得しながら、課題発見・解決に取り組む「学びのSTEAM化(学際研究化)」(2)子どもたち一人ひとりが個別の学習計画を策定して自分のペースで学習し、主体的に学ぶ「学びの個別最適化」――をコンセプトとした「未来の教室」実証事業を実施している。

現状の学校教育では、探究・プロジェクト型学習に取り組むための十分な時間を捻出することが難しいが、「未来の教室」プロジェクトでは、1人1台端末環境とEdTechの活用による個別最適化学習への転換を図ることで、教科知識のインプットに要する時間を効率化し、それにより生み出された授業時数を探究学習に再編することを可能にした。

また、実証事業により得られた先進事例の普及のため、学校側が費用を負担することなく教育現場にEdTechを試験導入できる「EdTech導入補助金」の交付を実施している。ほかにも、教員が探究学習を実践するため、STEAM学習コンテンツをオンラインで掲載する「STEAMライブラリー」の今年度中の公開に向けて取り組んでいる。経済界の協力も得つつ、STEAM学習コンテンツのさらなる開発にも取り組んでいきたい。

■ 数理・データサイエンス・AI教育プログラムの推進(服部企画官)

政府は「AI戦略2019」で、AI時代に対応した人材の育成を戦略目標に設定し、2025年には、文理を問わずすべての大学・高専生(約50万人卒/年)が数理・データサイエンス・AIのリテラシーレベルを、大学・高専生(約25万人卒/年)が応用基礎レベルを習得することを目標に掲げた。

これを受けて今般、多くの大学・高専が数理・データサイエンス・AI教育に取り組むことを後押しするため、数理・データサイエンス・AI(リテラシーレベル)モデルカリキュラムを公表するとともに「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(リテラシーレベル)」を創設した。同制度では、全学開講や複数分野の学生の履修実績等を要件に「認定教育プログラム」の認定が行われ、このうち履修率5割以上かつ特色ある取り組みは「認定教育プログラム プラス」に選定される。今後、21年2月ごろに公募を開始し、同年7月ごろに初回認定・選定を行う予定である。

企業には、数理・データサイエンス・AIを学んだ学生の採用と数理・データサイエンス・AI教育にコミットする大学への積極的な支援をぜひともお願いしたい。

【SDGs本部】

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