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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2021年2月4日 No.3486 米国の輸出管理政策等の動向 -米中安全保障関連規制に関するウェビナーを開催〈下〉

経団連は12月2日、米中安全保障関連規制に関するウェビナーを開催し、米国のモルガン・ルイス法律事務所のジョバンナ・M・チネリ弁護士、ケン・J・ヌネンカンプ弁護士、ナンシー・山口弁護士から米国の安全保障関連規制を中心に説明を聴いた。前号に続き概要は次のとおり。

■ 対中輸出管理の強化

2019年5月以降、トランプ政権(当時)は、輸出懸念先であるエンティティリストへの掲載を、ファーウェイなどの中国企業に対する制裁手段として活用してきた。エンティティリスト掲載企業に対して米国製品を輸出するためには、米国政府の許可が必要となる。実際に、商務省産業安全保障局(BIS)から輸出ライセンスを取得して、ファーウェイ等と取引を継続している米国企業も一定程度存在している(後日の報道によれば、商務省はファーウェイ向けの輸出ライセンスを取り消し、提出済みのライセンス申請を却下する意向を示したとされる)。

米国外からの再輸出については、製品価格に占める米国内で製造された製品の割合が25%以上(一部例外あり)の特定製品(米国原産品)が対象となる。これが、BISの「デミニマスルール」である。トランプ政権は、この25%という閾値の引き下げを検討してきたが、結果的に変更しなかった。閾値の引き下げに関しては、商務省内でも賛否両論あり、バイデン政権で検討が進められるか見通すことはできない。仮に、閾値が引き下げられた場合は、規制対象となる米国原産品の範囲が拡大するため、米中双方でビジネスを行う日本企業としても、動向を注視していく必要がある。

■ 中国製アプリの利用禁止

トランプ政権は、行政命令である大統領令を通じて、TikTokやWeChatといった中国製アプリの利用を禁止しようとしたが、地方裁判所によって差し止められた。この判断を不服としてトランプ政権は上訴したが、バイデン政権が上訴を継続するかは明らかでない。おそらく、バイデン政権は、単純に中国製アプリを利用禁止にするのではなく、より技術的に複雑な対応策をとるだろう。ただし、GAFAなどの米国の巨大IT企業にとってメリットがある場合には、中国製アプリの利用を禁止する可能性もある。

■ 中国企業への証券投資の禁止

20年11月、トランプ大統領は、中国人民解放軍と関連があるとみなす「中国共産主義の軍事企業(CCMC)」に対する米国投資家による証券投資を禁止する大統領令に署名した。規制対象となる中国企業には、チャイナテレコムやチャイナモバイルといった巨大企業も含まれており、米国の証券取引所で上場廃止となれば、株式インデックスなど、米国の資本市場にも影響を与えるだろう(21年1月14日、国防総省はCCMCとして指定する企業を追加した。今後、巨大IT企業のアリババ・グループなどの追加も検討されているといわれている)。

【国際経済本部】

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