1. トップ
  2. Action(活動)
  3. 週刊 経団連タイムス
  4. 2021年3月11日 No.3491
  5. オンラインイベント「あの日から10年、東北の未来を創る」開催

Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2021年3月11日 No.3491 オンラインイベント「あの日から10年、東北の未来を創る」開催 -東日本大震災から10年

経団連は3月2日、東日本大震災の発生から10年の節目を迎えるにあたり、オンラインイベント「あの日から10年、東北の未来を創る」を開催した。被災地の現況を知り、今後の復興支援についての知見を深めることを目的に、講演などを通じて、被災地の復興・再生に尽力する関係者の取り組みを聴いた。

古賀審議員会議長

開会あいさつで古賀信行審議員会議長(震災復興特別委員長)は、「復興を加速化するためには、より多くの方々が残された課題を『わがこと』としてとらえ、共に取り組んでいくことが大切」と呼びかけた。

平沢勝栄復興大臣、内堀雅雄福島県知事によるビデオメッセージの後に、東北経済連合会の海輪誠会長と東北観光推進機構の紺野純一専務理事がそれぞれ講演した。

海輪会長は、「地域経済の復興は道半ば。引き続き経団連とも連携し、震災を乗り越えた新しい東北の実現に取り組む」との決意を表明。紺野専務理事は「広域連携による観光振興の効果は大きく、4月からの東北デスティネーションキャンペーン等を通じ、東北の元気に寄与したい」と意気込みを語った。

トークセッションでは、まず、経団連がこれまでの復興支援の内容について報告。続いて、復興・再生に携わる5名の登壇者が、東北の産業振興や風評被害の払拭、震災の記憶の風化防止に向けた活動を紹介した。

革新的技術等を活用した産業集積を目指している福島イノベーション・コースト構想推進機構の伊藤泰夫専務理事は、「浜通り地域の産業回復に向けた取り組みの効果を面的に波及させ、福島の希望となりたい」と述べた。

福島県観光交流局の佐藤良作主査は、震災・原発事故の教訓を社会全体で活用するための観光プログラム「福島県ホープツーリズム」を紹介し、「福島のオンリーワンの経験を活かし、学び、考えるための素材として、企業の人材育成プログラムへの導入を進めたい」との考えを披露した。

南三陸ホテル観洋の伊藤俊第一営業次長は、記憶の風化防止のために運行してきた「語り部バス」について、「大切な人、愛する人を守るために、震災の経験を学びとしてより多くの人に届けたい」と熱意を語った。

釜石市の石井重成オープンシティ推進室長は、「復興のプロセスで得たつながり人口をまちづくりに活かし、持続可能な地域の魅力創出に取り組む」と決意を示した。

最後に、「あれから10年、これから10年」コンソーシアムの井上成事務局長が「東京で復興に関わり、考える機会をつくるため、東京丸の内周辺の企業によるコンソーシアムを立ち上げた」とし、3月4日から1カ月にわたって丸の内周辺で開催するイベントを紹介した。

【産業政策本部】

「2021年3月11日 No.3491」一覧はこちら