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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2021年6月10日 No.3502 第2期復興・創生期間の政府の取り組み

経団連は5月14日、官民連携による東日本大震災からの復興支援の一環として、「第2期復興・創生期間の政府の取り組みに関する説明会」をオンラインで開催し、復興庁と経済産業省から説明を聴いた。概要は次のとおり。

■ 「東日本大震災から10年を迎えて」復興庁・開出英之統括官

東日本大震災の発災から10年を迎え、被災地の復興は着実に進展してきた。地震・津波被災地域は、住まいの再建などが概ね完了し、総仕上げの段階にある。今後は、被災者の心のケア等が課題である。原子力災害被災地域は、復興・再生が本格的に始まっているが、今後も中長期的な対応が必要であり、引き続き国が前面に立って取り組む。こうした状況を踏まえ、復興庁の設置期間を10年間延長し、2021~25年度分の財源として1.6兆円程度を確保している。

原子力災害被災地域の本格的な復興・再生に向けて、(1)帰還・移住の促進(2)農林水産業や観光業等における風評の払拭(3)福島浜通り地域に新たな産業基盤の構築を目指す福島イノベーション・コースト構想の推進(4)「創造的復興の中核拠点」としての国際教育研究拠点の新設――などを図る。

震災の教訓の伝承にも力を入れる。地元自治体と連携しながら、岩手県、宮城県、福島県に国営追悼・祈念施設を順次設置している。復興庁も、今後の大規模災害に対する防災力の向上に活かすため、震災復興の教訓・ノウハウ集を今年3月に取りまとめた。同庁のウェブサイトに掲載するなど広く周知していく。

■ 「福島第一原子力発電所における多核種除去設備等処理水(ALPS処理水)の処分に関する基本方針の概要」経済産業省・光成政和大臣官房審議官

「復興と廃炉の両立」を進めるにあたり、福島第一原子力発電所のALPS処理水について、敷地内のタンクへの貯蔵が22年夏以降に限界に達し、廃炉作業の支障にもなるため、処分方法を一刻も早く決める必要があった。

そこで、4月13日の廃炉・汚染水・処理水対策関係閣僚等会議では、専門家による6年間に及ぶ議論の結果に加え、諸外国の実施状況やIAEA(国際原子力機関)の評価などを踏まえ、今後2年程度を目安に、海洋放出する基本方針を決定した。

同方針では、(1)国際ルールに基づく国内の規制基準を遵守し、安全性を確保する(2)海洋モニタリングを徹底し、国内外に客観性・透明性が高く、積極的な情報発信を継続する(3)風評への影響に対応するため、福島県産品の販路開拓や販売促進をはじめとする対策に最大限取り組む――ことを掲げている。特に風評対策では、流通・小売関係者等に対するイベントの実施、海外や福島県以外の消費者に対する広報を強化していく。

【産業政策本部】

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