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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2022年3月10日 No.3536 提言「次なる波に備えつつ、出口戦略に舵を切れ」を公表

経団連は3月7日、提言「次なる波に備えつつ、出口戦略に舵を切れ~新型コロナウイルス感染症対策に関する提言」を公表した。

新型コロナとの共存は3年目を迎えた。わが国は、2020年1月に国内最初の感染者が確認されてから、繰り返し感染の波を経験している。今後も感染の波が繰り返されることを覚悟し、これまでの教訓を活かしながら備えを充実させるとともに、段階的に、感染症と共存し得る穏やかな対策、すなわちエンデミックの対策に舵を切るべきである。こうした観点から具体的に取り組むべき方策を提言に取りまとめ、建議した。提言の概要は次のとおり。

1.これからの感染の波に備える~今後の感染対策

  1. (1)職域接種を含むワクチン接種を加速すべきである。そのインセンティブとしてワクチン・検査パッケージを活用すべきである。4回目接種に向け、国産ワクチンの承認審査状況を踏まえつつ、十分な量のワクチンの調達・確保を進める必要がある。
  2. (2)抗原定性検査キットをOTC(Over The Counter=処方箋なしに購入可能)化し、セルフチェックを可能とするとともに、戦略的に備蓄すべきである。
  3. (3)治療薬等の国産化を進めるとともに、緊急時の治験のあり方や承認手続きを見直すべきである。新薬等の早期の調達・確保が必要である。
  4. (4)軽症者や無症状の陽性者も安心してサポートが得られる自宅療養の仕組みを整えるとともに、発熱外来へのアクセスを容易にすべきである。
  5. (5)感染の初期段階において、先行している海外事例を参考にして新しい変異株に応じた対策を講ずべきである。

2.出口戦略の策定・実行~社会経済活動の活性化と平時からの体制構築

  1. (1)政府は、科学的根拠に基づく「正しい恐れ方」を広く示していく必要がある。
  2. (2)国際的な人の往来を本格的に再開するため、政府は、渡航先の感染危険レベルの見直し、入国審査の効率化、到着地検査の省略・簡素化、入国人数枠の撤廃、待機期間の短縮、入国後管理の簡素化等を進めるべきである(各国・地域のワクチン接種者の待機免除状況等については図表参照)。
  3. (3)感染症法の指定感染症の位置付けによる措置を簡素化し、積極的疫学調査の実施等の措置を廃止すべきである。
  4. (4)業種別ガイドラインの内容を絞り込むべきである。
  5. (5)予防・検査・治療に必要な機器・部材・試薬等の安定供給を可能とする体制を整備する必要がある。
  6. (6)情報収集・集計・連携のデジタル化やヘルスケアデータの連携など、デジタルヘルスを促進すべきである。
各国・地域のワクチン接種者の待機免除(3月3日現在)

(図表のクリックで拡大表示)

政府ができるだけ早期に「エンデミック宣言」を行うことを期待している。経団連は政府や地方自治体をはじめとする関係者と密に連携しながら、これからの感染の波への備えとエンデミック対策への転換に向けた取り組みを進めていく。

【ソーシャル・コミュニケーション本部】

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