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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2022年10月13日 No.3562 ボージュ・マルタ外務・欧州・貿易相と懇談

ボージュ大臣(右)と清水部会長

経団連の清水章ヨーロッパ地域委員会企画部会長は9月26日、東京・大手町の経団連会館で、来日中のイアン・ボージュ・マルタ外務・欧州・貿易大臣と懇談した。ボージュ大臣の発言概要は次のとおり。

新型コロナウイルス危機から徐々に回復していたところ、ロシアがウクライナに侵攻し、国際情勢は不透明性を増している。マルタはロシアを強く非難しており、EUの一員として対露制裁を実施している。伝統的に中立外交を重視してきたが、世界の危機から目を背けることなく、「積極的な中立」の立場で引き続きロシアに対応していく。ウクライナ情勢に加え、米中対立もビジネスの予見可能性を損なう要因となっている。マルタにとって、米中は両国ともに重要なパートナーであり、大国間の対立は望ましくない。2023年、日本と共に国連安全保障理事会の非常任理事国に就任予定であり、国際場裡においても日本と連携していきたい。

マルタは小国であり、市場も小さいが、EUならびにユーロ圏に属しており、EU市場へのゲートウエーとして活用してほしい。地中海の中心に位置するマルタは、欧州ならびにアフリカへの物流拠点として機能している。電機や製薬といった分野に加え、近年では、ゲーミング産業や金融といったサービス産業が急成長しており、ITインフラの整備も進んでいる。同分野も含めたインフラ整備について、日本との連携を期待している。日EU・EPAのもと、マルタは主にマグロを日本に輸出しているが、規模はそれほど大きくなく、日本にとって脅威にはならないと考える。

マルタはEU加盟国として、その政策決定に参加している。日本企業にとっての課題を欧州議会に働きかけることができる。日本企業にマルタのことをより理解してもらい、日本との間で築いてきた友好関係を今後さらに発展させていきたい。

【国際経済本部】

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