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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2022年10月13日 No.3562 ICT分野の海外展開を総合的・戦略的に推進 -総務省、JICTと懇談/開発協力推進委員会政策部会

経団連は9月20日、開発協力推進委員会政策部会(台和彦部会長)を開催した。総務省国際戦略局の海野敦史国際展開課長から、総務省の海外展開に関する取り組みの概要について、また、海外通信・放送・郵便事業支援機構(JICT)の大島周社長から、JICTの事業概要について、それぞれ説明を聴くとともに意見交換した。説明の概要は次のとおり。

■ 「総務省海外展開行動計画2025」の概要(海野氏)

海野氏

新型コロナウイルス感染症の世界的流行により社会経済活動に制約が生じる一方、デジタルトランスフォーメーション(DX)の有用性や必要性が再認識された。また、サプライチェーンが複雑化するなかで、サイバー空間におけるセキュリティを確保することがますます重要になるなど、ICT分野における海外展開を取り巻く諸情勢は変化している。

こうした状況を踏まえ、2022年7月、「総務省海外展開行動計画2025」を策定した。SDGsの達成、長期的視点に立ったグローバル競争力強化、内政・外交方針との整合性確保、国際協調の確保等の観点から、取り組みを強化すべき10の重点分野(光海底ケーブル、Open RANを中心とした5G/ローカル5G等のブロードバンド整備、データセンター等)を特定し、それらに関する海外展開方針を示している。

10の重点分野に関しては、各国・地域の特性に応じて展開することとしている。例えば、英国との間では、日英デジタルグループの枠組みを活用し、Beyond 5Gをはじめとする先端技術の研究開発や標準化活動にかかる協力を推進する方向である。

また、わが国政府としての取り組みを強化するため、積極的なトップセールス、協力覚書を活用した案件の盛り込み等を行う。同時に、海外展開支援予算施策の強化、官民ファンドであるJICTの活用・連携の強化など、支援スキームをブラッシュアップしていく。

■ JICTの事業概要(大島氏)

大島氏

JICTは、15年11月に日本政府および民間企業の共同出資により設立された官民ファンドである。その目的は、通信・放送・郵便事業分野における本邦民間企業の海外展開支援であり、政府系として唯一、ICT事業を専門領域としている。

JICTが単独出資することはできず、また、JICTがわが国企業を超える最大出資者になることは原則できない。他方、海外子会社・JVの設立、海外企業への出資、海外現地法人の増資引き受けによる事業拡大など、事業者のニーズに合わせたストラクチャーの設計が可能である。

JICTの支援範囲は、従来、ハードインフラを前提とするインフラに限定されていたが、クラウドベースのICTサービス事業の重要性の高まりを背景に、22年以降、ハードインフラ、ハードウエアを保有しない事業も支援可能となった。同時に、ファンド出資による支援も一定の条件のもとで可能となるなど、JICTの支援範囲は拡大している。ぜひ、JICTの積極的な活用を検討してほしい。

【国際協力本部】

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