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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2023年2月2日 No.3577 デジタル人材育成の取り組みと次期教育振興基本計画策定に向けた審議状況 -教育・大学改革推進委員会企画部会

経団連は1月10日、教育・大学改革推進委員会企画部会(平松浩樹部会長)をオンラインで開催した。経済産業省商務情報政策局情報技術利用促進課の内田了司課長と文部科学省高等教育局専門教育課の鈴木顕企画官から、デジタル人材の育成に向けた政府の取り組みについて、また、文科省総合教育政策局政策課の川村匡教育企画調整官から、次期教育振興基本計画の策定に向けた審議状況について、それぞれ説明を聴くとともに意見交換した。説明の概要は次のとおり。

■ デジタル人材の育成に向けた政府の取り組み(内田氏、鈴木氏)

経産省は、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進とデジタル人材の育成を両輪で進めるべく、DXに取り組む体制が整備できた企業を政府が認定する「DX認定」の要件に、企業内のデジタル人材の育成・確保を課している。

デジタルスキルや能力を可視化すべく、DXリテラシー標準とDX推進スキル標準から成る「デジタルスキル標準」を公表している。DXリテラシー標準では、すべてのビジネスパーソンが身につけるべき能力・スキルを、またDX推進スキル標準では、DX推進に必要な人材類型ごとに、役割や習得すべきスキルを、それぞれ定義している。

さらに、地域企業のDXを加速すべく、「デジタル人材育成プラットフォーム」を構築し、教育コンテンツの集約・提示、地域企業と協働したオンライン研修プログラムの提供を行っている。

文科省では、デジタル等の高度専門人材の育成に向けて、意欲ある大学・高専がデジタル等成長分野への学部転換等に踏み切れるよう、基金を新たに創設し、機動的かつ継続的に支援する予定である。

優れた教育プログラムを政府が認定する「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度」により、大学等の取り組みを後押しするとともに、各大学等の成果を全国へ普及させるためのコンソーシアム活動を展開している。

経産省と文科省は、産学官連携によるデジタル人材の育成を目的に、2022年9月にデジタル人材育成推進協議会を立ち上げた。産学官の関係者が参画し、産学官連携による大学・高専のデジタル人材育成機能強化策等を検討している。

■ 次期教育振興基本計画の策定に向けた審議状況(川村氏)

中央教育審議会(中教審)教育振興基本計画部会では、現行の第3期教育振興基本計画(計画期間=18~22年度)の目標達成状況を踏まえつつ、次期計画(計画期間=23~27年度)の策定に向けて議論している。

22年12月の教育振興基本計画部会で示した「次期教育振興基本計画の策定に向けたこれまでの審議経過(報告)(素案)」では、次期計画のコンセプトとして、「2040年以降の社会を見据えた持続可能な社会の創り手の育成」と「日本社会に根差したウェルビーイングの向上」を掲げている。

このコンセプトのもと、今後の教育政策に関する基本的な方針として、(1)グローバル化する社会の持続的な発展に向けて学び続ける人材の育成(2)誰一人取り残さず、全ての人の可能性を引き出す共生社会の実現に向けた教育の推進(3)地域や家庭で共に学び支えあう社会の実現に向けた教育の推進(4)教育デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進(5)計画の実効性確保のための基盤整備・対話――の五つを定めている。

さらに、実効ある教育政策を進めていくために、16の目標と、目標実現のために必要な基本施策、目標の進捗状況を把握するための指標候補を示している。

今後、中教審では、パブリック・コメントや、経団連を含む関係団体へのヒアリングを踏まえ、次期計画の策定に向けた検討を深めていく。

【SDGs本部】

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