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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2023年3月23日 No.3584 職場におけるアンコンシャスバイアスへの気づき -ダイバーシティ・マネジメントセミナーを開催

経団連は2月20日、内閣府と共催で、「職場における無意識の思い込み(アンコンシャスバイアス)への気づき」をテーマにダイバーシティ・マネジメントセミナーをオンラインで開催した。全国から約1200人が参加した。

髙島屋社長の村田善郎氏による基調講演の後、アンコンシャスバイアス研究所代表理事の守屋智敬氏がアンコンシャスバイアスについて知る、気づく、対処するための方法を紹介した。概要は次のとおり。

■ 「ダイバーシティの更なる進化を目指して
~百貨店グループの責任と挑戦」(村田氏)

村田氏

髙島屋は、創業当初から約200年にわたり、多様性と向き合い、1979年に東証一部上場企業で初めて女性重役を誕生させた歴史を持つ。「いつも、人から。」の経営理念のもと、会社として育児と仕事の両立支援をはじめさまざまな制度を充実させてきた。しかし、制度整備のみならず、意識風土、組織文化改革が伴わなければ、今後の、さらなる女性活躍に加え、多様な人材が活躍できる企業へ進化できない。また、アンコンシャスバイアスを放置することはイノベーションを阻むことにもつながり、企業発展のリスクになるということを全員で認識していくことが必要である。「当たり前」からの変革を実践し、それらを積み重ねることで既成事実や固定観念などを払拭できる。当社は「実践」を大切にしており、強制的に自分の仕事の枠を超える経験をすることで社員が気づきを得ることにつながった「百貨店構造改革マルチタスク推進」、人事面でも、例えばイタリア出身の社員をあえて和菓子のバイヤーに起用し、和菓子の魅力を発見してもらうなど、既存の概念を払拭する取り組みを行っている。

■ 「アンコンシャスバイアスを知る、気づく、対処する
~ひとりひとりがイキイキと活躍する組織づくりのために」(守屋氏)

守屋氏

アンコンシャスバイアスとは、私たちが何かを見たり、聞いたり、感じたりしたときに、実際にどうかは別として、無意識のうちに「こうだ」と思い込むことで、誰にでもあるものである。気づかずにいると、ネガティブな影響があるかもしれない。しかし、アンコンシャスバイアスに気づくことで、ものの見方が変わり、自分自身も含めた周りの未来を変えていくことにつながる。そのため、アンコンシャスバイアスに向き合い続けることが大切である。アンコンシャスバイアスによるネガティブな影響を防ぐための対処法として次の三つ、(1)アンコンシャスバイアスを意識すること(2)決めつけない・押しつけないこと(3)相手からのサインを手がかりに対応すること――が挙げられる。本能によるものであるため、完全になくすことはできないが、「アンコンシャスバイアスの上書き」は可能である。組織やチームの状況を振り返り、三つの対処法を意識しながらメンバーとの対話を重ねることがお互いにとってより良い未来につながる。

【ソーシャル・コミュニケーション本部】

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