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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2023年12月21日 No.3618 提言「内発型の地域づくりに向けた地域経済活性化」を公表

経団連は12月12日、「内発型の地域づくりに向けた地域経済活性化~人口減少・経済社会の変化を踏まえた地域連携のあり方」を公表した。同提言では、コロナ禍を契機として、国と地方の行政システムや社会機能の集中と分散のあり方について、国・地方自治体・企業が果たすべき役割を整理した。概要は次のとおり。

■ 地域経済社会を取り巻く課題認識

地域経済の活性化に向けたアプローチは多岐にわたるが、同提言では、3点を取り上げた。

1点目は、「広域的な視点の必要性」である。多くの地域で人口規模の縮小が続くなか、有限な地域資源(人・モノ・カネ・情報等)を活用し、行政サービスの提供を継続していくためには、従来以上に広域的な視点をもって行政機能を発揮していくことが重要である。

2点目は、「デジタル技術活用の必要性」である。都市部への一極集中や地域の担い手不足等、わが国が抱える構造的な課題に対しては、デジタル技術の活用が解決のカギである。地方自治体においても、この徹底的な活用が不可欠となる。

3点目は、「産業立地・地域産業の変化」への対応である。近年のデジタルトランスフォーメーション(DX)やグリーントランスフォーメーション(GX)による経済社会の変化や、自然災害の激甚化・大規模化、感染症等の非平時、経済安全保障への対応は、地方自治体においても、産業立地や地域産業等のあり方を議論する前提としてとらえていく必要がある。

■ 内発型の地域づくりに向けて~提言の全体像

経団連では、地域経済の活性化に向けて、企業や地方自治体をはじめ、多様な主体の参画によって地域資源を最大限生かし、域内の発展を図る「内発型の地域づくり」を目指すべき姿と位置付けている。

この実現に向けて、第1に、国において策定・検討されている「デジタル田園都市国家構想総合戦略」や「国土形成計画」、「デジタルライフライン全国総合整備計画」等の基本的なビジョンを有機的に連携させ、地域経済の活性化に向けて必要な施策を講じることで、サプライチェーン全体を見渡した「面」的な支援を一体的に展開すべきである。

第2に、市町村合併の再検証や、隣接していない地方自治体間の広域連携等の推進、地方自治体に求める行政計画の再整理といった、単独の自治体だけでは実施が困難な事項について、国における制度面での対応が求められる。

第3に、地方自治体や地域住民、企業等による地域の将来のあり方に関する議論や産学官連携の一層の推進といった、従来の枠組みにとらわれない取り組みについては、制度面の対応と連携を図りつつ、積極的に進めることが重要である。

第4に、これらの各主体による地域経済活性化への取り組みにあたっては、国がリーダーシップを発揮し、デジタル共通基盤の整備を速やかに進めることで、自治体職員の業務効率化、デジタル技術の活用による生活者・企業の利便性の向上、新たな価値の創出を実現すべきである。

経団連としても、会員企業による地域課題解決に関する事業を一層拡大すべく、2021年11月に策定した「地域協創アクションプログラム」について、必要に応じて改訂するとともに、引き続き、各地ならびに地域間連携を含む地域協創に向けた取り組みを展開していく。

【産業政策本部】

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