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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2024年4月18日 No.3634 「経団連CN行動計画」「2023年度CN行動計画第三者評価委員会評価報告書」を公表

経団連は4月2日、「経団連カーボンニュートラル行動計画」(CN行動計画)の2023年度フォローアップ結果(22年度実績)ならびにCN行動計画への第三者評価委員会による評価報告書(23年度)を公表した。

グリーントランスフォーメーション(GX)に関して、「GX推進法」および「GX脱炭素電源法」が成立し、「GX推進戦略」が閣議決定されるなど、50年CNの実現に対する内外の関心と期待がより一層高まるなか、経団連は、その実現に向けて、CN行動計画を推進している。

CN行動計画は、50年CNに向けたビジョンの策定と、「国内の事業活動における排出削減」「主体間連携の強化」「国際貢献の推進」「革新的技術の開発」の4本柱で構成される。毎年度、同計画への参加業種(23年度は63業種が参加)へのフォローアップ調査を通じてCO2排出量の実績値等を確認したうえで、第三者評価委員会による評価・検証が実施される。

■ CN行動計画のポイント

(1)ビジョンの策定状況

23年度も、引き続き参加業種に対して50年CN実現に向けたビジョンの策定を呼びかけたところ、策定済みの業種は、22年度の40業種から、45業種に増加した。また、策定済み45業種のCO2排出量は、参加業種全体のCO2排出量の約97%となった。これは、経済界として50年CN実現に最大限取り組む姿勢の表れである。

(2)排出削減目標の見直し

CN行動計画の参加業種は、30年度における国内事業活動からのCO2排出削減目標を設定している。政府が30年度に13年度比で46%の排出削減を目指すなか、経団連では、各業種に削減目標を不断に見直すよう呼びかけている。その結果、23年度は9業種が目標を見直した。これは、経済界として、政府の30年度目標の実現に積極的に貢献していく考えを示したものである。

(3)国内の事業活動における削減実績

22年度における参加業種全体の国内事業活動からのCO2排出量は、13年度比で20.1%減となった。21年度比では3.5%減である。この主な要因は、エネルギー・原材料価格の高騰や、半導体不足に起因する需給変動の長期化、外需縮小等により、多排出産業を中心に、産業部門の経済活動量が減少したことが考えられる。24年度は、その反動によるCO2排出量の増加が予想されるため、参加業種による設備の効率化等の継続的な努力が引き続き重要になると考えられる。

■ 第三者評価委員会評価報告書(内山氏)

23年度CN行動計画第三者評価委員会評価報告書について、同委員会の内山洋司委員長(筑波大学名誉教授)から3月28日、環境委員会地球環境部会(船越弘文部会長)で説明を聴いた。概要は次のとおり。

第三者評価委員会は、23年11月に公開されたCN行動計画の速報版に基づき評価した。

第1の柱「国内の事業活動における排出削減」については、(1)30年度目標の見直しが継続的に実施されている点(2)幅広い業種において再生可能エネルギーの導入に向けた取り組みが加速している点――などが評価に値する。一方、22年度実績については、13年度比、前年度比では減少しているものの、これは主に産業部門の経済活動量が減少したことによると考えられる。今後は、BAT(Best Available Technology、経済的に利用可能な最善の技術)の導入、製品転換等によって、CO2排出量の削減余地を各部門で検証していく必要がある。

第2の柱「主体間連携の強化」、第3の柱「国際貢献の推進」については、個社や日本独自の取り組みと見なされることのないようにする必要がある。具体的には、国際的なルールや標準化によって、活動が適正に評価されることや、今後の経済発展に伴ってCO2排出量が急増すると考えられるアジアやアフリカに、日本の優れた省エネ技術を移転することで削減に貢献することを期待する。

第4の柱「革新的技術の開発」については、23年12月に策定された「分野別投資戦略」や、GX経済移行債による投資促進策によって、企業の国際競争力が維持できているかを注視しつつ、「環境と経済の好循環」となることを期待する。

◇◇◇

経団連は、CN行動計画に基づき、国内事業活動とともに、グローバルに広がるバリューチェーンを通じた排出削減に取り組み、わが国ひいては世界のCN、GX実現に貢献していく。

【環境エネルギー本部】

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