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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2024年7月4日 No.3643 米サンディエゴにバイオミッションを派遣 -バイオエコノミー委員会として2度目の海外ミッション

経団連(十倉雅和会長)は6月3~7日、小坂達朗審議員会副議長・バイオエコノミー委員長と岩田圭一同委員長を団長とし、総勢16人から成る訪米バイオミッションをカリフォルニア州サンディエゴに派遣した。同委員会として2度目の海外ミッションとなる。

現地のバイオエコシステムビルダーやアカデミア、バイオ関連スタートアップ企業のCEOをはじめ、世界有数のバイオコミュニティを擁するサンディエゴ地域の主要なステークホルダーと対話した。

それぞれの面談では、経団連が2023年3月に公表した提言「バイオトランスフォーメーション(BX)戦略」および24年4月に公表した提言「バイオトランスフォーメーション(BX)実現のための重要施策」を説明。先方の理解を得つつ、米国の最先端企業の取り組みやスタートアップ振興の施策を聴取し、国際的なネットワークを構築することで所期の目的を達成した。概要は次のとおり。

■ バイオエコシステムビルダーとの交流

講演する大内部会長

バイオ分野の世界最大級のビジネスマッチングイベント「BIO International Convention 2024」や周辺イベントに参加した。経済産業省と日本貿易振興機構(ジェトロ)が共催した「Japan Innovation Luncheon」に大内香同企画部会長が登壇。経団連のバイオ関連の活動を広く紹介した。

また、現地のバイオコミュニティにおけるプラットフォーマーとして中心的役割を果たしているバイオコム・カリフォルニア(Biocom California)およびサンディエゴ経済開発公社(San Diego Regional Economic Development Corp)と懇談するとともに、三井不動産が手掛ける賃貸ラボ&オフィス「トーリービュー」(Torrey View)を訪問した。それぞれの機関におけるバイオ産業・スタートアップ振興の取り組みについて聴取するとともに意見交換を行った。各機関が中心となり、バイオ企業・アカデミア・投資家を相互につなぐネットワークが確立されている実態を把握した。

カリフォルニア大学サンディエゴ校および同校と連携関係のあるホームラボ(HomeLab)から、地域のイノベーション拠点として、イノベーション創出と国際的なパートナーシップを促進する役割および同校発のスタートアップ創出のための具体的な取り組みについて説明を聴き、わが国のアカデミア発スタートアップを成功させるための知見を得た。

カリフォルニア大学サンディエゴ校を訪問

■ 個別企業視察

ブルーバイオ(海洋)分野の事業化に取り組む現地スタートアップ企業であるブルーナル(BlueNalu)のルー・クーパーハウスPresident & CEOと面会。同社は、一つのマグロの細胞から健康的で持続可能な海産物を創り出すことを目指し、17年にハワイで創業。培養トロの商業化に向けた取り組みについて説明を聴くとともに、日本市場への期待や企業との連携可能性について意見交換した。

次いで、ホワイトバイオ(工業・エネルギー)分野の事業に取り組むジェノマティカ(Genomatica)を訪問。クリストフ・シリングCEOから、微生物工学の知見を用い、植物由来原料からの化学品製造の取り組みについて説明を聴いた。同社は現在、独自の製造技術を用いた3番目となる化学プラントの建設に向けて準備しており、化石燃料由来の化学品に対して競争力のある生産コストを目指し、取り組みを進めている。

さらに、レッドバイオ(医療・健康)分野のイノベーション促進に取り組むジョンソン・エンド・ジョンソン・イノベーションセンター(Johnson & Johnson Innovation Center)を訪問。同社のスタートアップ振興の具体的取り組みについて説明を聴くとともに、大手企業によるスタートアップ支援の方法について、わが国にも参考となる貴重な示唆を得た。

【産業技術本部】

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