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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2024年10月10日 No.3654 マルワラ国連大学学長が幹事会で講演

マルワラ氏

経団連は9月17日、東京・大手町の経団連会館で幹事会を開催した。国際連合(国連)大学で学長を務めるチリツィ・マルワラ教授が「Japan’s Private Sector and the United Nations」と題し、国連大学と日本企業の連携による持続可能な発展への貢献について講演した。概要は次のとおり。

国連大学は、1972年の国連総会において設立が決定され、75年に日本を本部として活動を開始した。以来、アジアに本部を置く唯一の国連機関として、グローバルな活動を展開してきた。

国連大学の役割は大きく二つある。一つは、国連のシンクタンクとして、国連における意思決定に資するよう、政策に関連する研究などを進めることである。例えば、租税制度の整備に関する開発途上国への提言や、気候変動による影響の分析、国際的な平和と各国の安全保障の確立に向けた支援など、幅広い分野の制度・政策に関する調査、研究、提言などを行っている。

もう一つは、国際的な教育機関として、特に修士課程や博士課程プログラムを通じて国内外の学生に教育の機会を提供することである。東京にある国連大学サステイナビリティ高等研究所では、持続可能性に焦点を当て、国連や各国政府、学術界、民間企業など、さまざまな分野でグローバルに活躍する人材の育成に取り組んでいる。

日本には、世界の持続可能な発展に対して、これまで多大な貢献をいただいてきた。他方、日本国内において、若者世代を中心に、グローバルな問題への関心が低下しており、内向きの傾向がみられることを懸念している。そこで、国連大学として、こうした傾向を転換させるべく、日本の経済界に対し、二つのことをお願いしたい。

第一に、2025年、創立50周年を迎える国連大学の研究・発展に向けて設立した50周年基金への協力である。寄付は、日本で学ぶ国連大学の学生(主に開発途上国出身)への奨学金支給に充てるとともに、日本の研究者と国連のシステムとを結び付け、世界の持続可能な発展につなげていくことを想定している。

第二に、国連大学と日本企業の連携の機会を増やしていきたいと考えている。具体的には、日本企業が抱える課題への理解を深め、国連大学とのイベントの共催や、共同研究の推進など、連携を強化していきたい。

【総務本部】

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