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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2025年6月19日 No.3687 提言「巨大地震を見据えた防災・減災対策の充実に向けて~防災は『日頃から』『ともに』『スマートに』」を公表

経団連(筒井義信会長)は6月17日、提言「巨大地震を見据えた防災・減災対策の充実に向けて~防災は『日頃から』『ともに』『スマートに』」を公表した。日本各地で災害が激甚化・頻発化するなか、防災・減災対策を進めるうえでの三つの課題(1)平時からの「理解」(2)関係者の「連携」(3)「資源」の有効活用――を解決して災害時の被害を最小限にとどめるため、三つのテーマを取り上げた(図表参照)。概要は次のとおり。

(図表のクリックで拡大表示)

■ 「日頃から」防災

防災・減災対策が、企業価値向上や国民の生活の質・ウェルビーイングの向上に資するのであれば、企業等が日頃から対策を進めることへの誘因となる。そこで、対策に取り組む事業者への認証制度の創設や表彰など、インセンティブの付与が重要である。また、平時と災害時を区別しない「フェーズフリー」の概念の浸透や、災害リスクの低い地域への移住や2拠点居住を平時から進めることも有効である。

■ 「ともに」防災

防災・減災対策を推進するうえでは、政府・自治体・企業・国民の連携が不可欠である。企業は、事業継続計画(BCP)に基づいて災害対応に取り組むが、その実効性を確保するためには、官民連携によるBCPの高度化や、BCP確認訓練・防災訓練等の実施が重要である。

また、官民連携はもとより、国民が「公助」の限界を正しく認識し、「自助」「共助」を強化することも必要である。防災意識の醸成や、在宅避難を前提とした備えの周知・啓発などにより、国民を含めた連携体制を構築すべきである。

■ 「スマートに」防災

限られた資源を効率的かつ効果的に活用するうえで、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進は重要である。また、幹線道路のミッシングリンク解消やダブルネットワーク化、老朽インフラの点検・再整備と、これらを担う土木系・技術系の人材不足の解消は喫緊の課題である。加えて、政府が進める防災デジタルプラットフォームの利活用の拡大や、ドローン・センシング技術の活用をはじめとする防災DXも推進すべきである。

なお、災害時の規律正しい行動を促すため、一時滞在施設の確保などの帰宅困難者対策も進める必要がある。

これらの取り組みを推進することに加え、2026年度中に設置予定の防災庁に対しては、(1)事前防災から復旧・復興まで一貫した政策形成(2)政策への十分な関与(3)民間の意見を踏まえた防災庁の役割の検討――などを求めている。

なお、防災・減災に関する各事業については、事業費と事業予算を明示し、補正予算ではなく当初予算の段階から事業費を措置すべきである。

【ソーシャル・コミュニケーション本部】

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