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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2025年7月3日 No.3689 第34回日本メキシコ経済協議会を開催

経団連(筒井義信会長)の日本メキシコ経済委員会(倉石誠司委員長、芝田浩二委員長)は6月11日、東京・大手町の経団連会館で、メキシコ国際企業連盟(COMCE)と共に第34回日本メキシコ経済協議会を開催した。

日本側からは、両委員長に加え、政府を代表して野口泰外務省中南米局長、依田學経済産業省大臣官房審議官らが、メキシコ側からは、マルクス・バウル メキシコ日本経済委員長、政府を代表してメルバ・プリーア駐日大使らが参加した。総勢約90人と盛会となった。

北米を含めた貿易投資環境や次世代技術を巡って意見交換し、最後に両国の経済関係強化に向けた共同声明を採択した。

■ 北米市場のサプライチェーン維持に向けて

第1セッションでは、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の見直しや北米地域の関税・投資環境を巡って議論した。

日本側は、USMCAが北米市場の基盤であり、サプライチェーン維持や雇用創出に寄与しているとし、協定の継続が日本企業にとって不可欠であると指摘。協定変更や終了によってメキシコ経済に影響が出ることを憂慮する旨を述べた。

メキシコ側は、USMCAは貿易のみならず生産プロセス全体の統合を進め、北米全体の生産性向上に貢献していると強調。今後予定されている見直しでは、再交渉なき延長が最善だが、現実的には困難との認識を共有した。米国政府との交渉では、協定見直しの複数のシナリオを提示しつつ、米国企業や米国に進出する日本企業との連携も視野に入れながら、北米統合の枠組みを維持していくことが必要と強調した。関税免除にならない場合には、必要に応じた対抗措置の可能性があることにも言及した。

■ 次世代技術を活用した日メキシコ間の協力

第2セッションでは、再生可能エネルギーや自動車産業における次世代技術について、パネルディスカッションを行った。

日本側は、下水処理施設などのインフラ整備や、環境再生型農業を通じた水資源の効率的な管理の取り組みを紹介。そのうえで、再エネ、水資源、食料安全保障などの分野における産学官連携の可能性を提案した。

また、日本企業の関与の有無にかかわらず、グリーントランスフォーメーション(GX)関係プロジェクトに対する資金供給を行っている旨も紹介した。

メキシコ側は、自動車産業における電動化の推進を最重要課題と位置付け、排出ガス削減とエネルギー効率向上を両立させる技術革新の重要性を強調。短期的には電力需要の急増に対応するインフラ整備と、それに対する政府支援への期待を表明した。

あわせて、メキシコ国内では、電気自動車(EV)の普及が急速に進み、今後もさらなる投資拡大が見込まれるなか、同国政府として2030年までに温室効果ガスを14万トン削減する目標を掲げている。そのため、日本の技術的支援に期待を表明した。

【国際協力本部】

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