
ブチッチ大統領(左)と東原副議長
経団連(筒井義信会長)の東原敏昭審議員会副議長・ヨーロッパ地域委員長らは9月17日、東京・大手町の経団連会館で、セルビアのアレクサンダル・ブチッチ大統領との懇談会を開催した。セルビア側の発言概要は次のとおり。
セルビアは小国であるが、コロナ後も強い経済を維持している。2024年の対内直接投資は過去最高の56億ドルであり、ドイツの57億ドルに迫る規模となった。
リチウム、ニッケル、コバルト等の重要鉱物資源が豊富にあり、EUとは重要鉱物に関する戦略的パートナーシップに合意している。わが国が保有している資源を最大限に活用したい。
気候変動対策については、50年カーボンニュートラル(CN)の実現に向けて取り組んでいる。これまでに風力・太陽光発電を導入したが、蓄電池が足りず、バックアップ電源の確保に向け、日本企業の支援を受けながら水力発電所の建設を進めている。
今後、AIやデータセンターの活用も進めることで、電力消費量はさらに増加することが予想される。電力不足に対処するため、将来的には原子力発電も必要である。すでにフランスや米国と原子力分野における覚書に署名しており、日本との協力の可能性も探りたい。
わが国に進出する企業を手厚く支援しており、補助金等のインセンティブも準備している。日本とは投資協定についての議論を終えており、両国の議会で承認されれば発効する。日本企業の投資を重視しており、必要な支援を行いたい。
「どの国の企業で働きたいか」という質問への回答では、常に日本とドイツが他国を引き離している。
セルビアは日本であまり知られていないが、多くの人に知ってもらえるように取り組みたい。われわれは信頼でき、規律正しい日本人に好意を抱いている。
2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)で、多くの人にセルビア館を訪れてもらえたことに感謝する。27年にはわが国のベオグラードで国際博覧会を開催する。
【国際経済本部】