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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2026年1月8日 No.3712 科学技術立国の実現に向け、研究投資・司令塔機能のあり方を議論 -科学技術立国戦略特別委員会

鈴木氏

経団連は12月2日、東京・大手町の経団連会館で科学技術立国戦略特別委員会(澤田純委員長)の第3回会合を開催した。総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)の鈴木純議員(帝人シニア・アドバイザー)から、CSTIの現状や、第7期科学技術・イノベーション基本計画(以下、次期基本計画)に向けた議論の方向性や今後の課題等について、説明を聴くとともに意見交換を行った。説明の概要は次のとおり。

■ 研究開発を支える三つのモダリティ

鈴木氏はまず、CSTIの体制や議論の状況を紹介したうえで、科学技術政策には重要な三つのモダリティ「探索型基礎研究」「重要技術領域」「戦略的領域」のバランスが不可欠と強調した。

探索型基礎研究は研究者の好奇心に基づく研究であり、選択と集中にはなじまない一方、国際競争力や自律性の維持に直結する重要技術領域で世界に追いつくための投資が必要とした。

日本が世界で「勝てる」領域、すなわち不可欠な価値を提供できる戦略的領域の見極めも欠かせないと指摘し、この領域に集中的に投資することが必要との考えを示した。

研究資金に関しては、わが国は米国等に比べて、とりわけ寄付の文化が育っていないことを課題に挙げ、政府がエクイティ・ファンディングに投資することが呼び水となり、民間や海外のマネーを国内研究開発に誘導する仕組みを検討する必要性に触れた。

■ 次期基本計画と研究開発プログラムの再構築

鈴木氏は次期基本計画の骨子を紹介した。

そのなかで、技術領域の戦略的重点化については、16の「新興・基盤技術領域」と、そのうち6の「国家戦略技術領域」が選ばれているが、「日本成長戦略会議」で示された17の成長分野との重複があるほか、領域によっては政策的予算と研究開発予算を区別し、真に研究開発につながる資金配分を再整理すべきと指摘した。

「戦略的イノベーション創造プログラム」(SIP)および「研究開発とSociety 5.0との橋渡しプログラム」(BRIDGE)については、次期基本計画で、研究から社会実装までをつなぐ両輪としての役割を、さらに戦略的に実施する必要があるとした。

最後に、科学技術は国力の源泉であり、30年後の国家像から逆算した研究開発戦略と初等中等教育からの育成が不可欠と強調。基礎研究の強化、重要技術領域の選定、国家安全保障との連携を統合的に進めることが必要と訴えた。

【産業技術本部】

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