1. トップ
  2. Action(活動)
  3. 週刊 経団連タイムス
  4. 2026年4月16日 No.3726
  5. ASEANの機会と可能性

Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2026年4月16日 No.3726 ASEANの機会と可能性 -アジア・大洋州地域委員会 ASEAN経済連携強化部会

経団連は2月20日、東京・大手町の経団連会館で、アジア・大洋州地域委員会ASEAN経済連携強化部会(森本浩徳部会長)を開催した。経済産業省通商政策局の羽田由美子アジア大洋州課長から、説明を聴くとともに意見交換した。概要は次のとおり。

■ ASEAN情勢

2025年10月の東ティモール加盟により、ASEANは11カ国となった。世界人口の8.5%に当たる約7億人の人口を擁し、名目GDPでも世界経済の約3.6%を占めるに至っている。

26年には経済規模で日本を超える見通しであり、例えば、都市圏別の1人当たり名目GDPで日本の主要都市と近接し、ASEANの購買力が上がっている。日本にとってASEANは支援対象から共創パートナーへと変化している。

ASEAN各国は政治体制や経済発展段階が大きく異なるものの、外資誘致を通じた産業振興政策を中心に推進している。

近年は米国による関税措置や過剰供給を背景とした市場への侵食にさらされている。25年4月のASEAN特別経済大臣会合では、外的不確実性に対応し、ASEANビジョンを再構築するため、ASEAN地経学タスクフォース(ASEAN Geo-Economic TF)が設立された。

同TFが12月に公表したレポートは、ASEANが主体的に地域アジェンダを形成し、リーダーシップを強化することを掲げている。

短中長期の視点からの関税・原産地規則強化への即応、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定の完全実施、サプライチェーンの高度化などとともに、産業発展の目標実現に向けて、具体的かつ総合的に実行に移す必要性も指摘している。

■ 日本の取り組み

日本はこれまで、マルチ、バイ、国際機関との連携、官民連携など多様な枠組みを通じてASEANとの連携強化を推進してきた。

マルチの枠組みとしては、日ASEAN経済大臣会合、アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)閣僚会合などがある。

25年の経済大臣会合では、自動車分野やAI分野での日本の取り組みに期待が示されるとともに、日・ASEAN包括的経済連携協定などのルールや基準の更新の探求などを内容とする共同声明が採択された。

AZEC閣僚会合では、日本側からアジア開発銀行などと策定したトランジション・ファイナンス報告書などのアクションプランに基づく成果とともに、ASEAN側からはパワーグリッド構想やトランジション・ファイナンス実現への期待が示された。

バイの枠組みとしては、大臣級、事務レベルでの対話を行っている。

例えば自動車分野では、日ASEAN経済大臣会合に東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)から報告された「次世代自動車産業戦略マスタープラン」を踏まえつつ、インドネシアやタイとの間で脱炭素化・電動化に向けた産業育成に取り組んでいる。

国際機関では、ERIAがデジタルトランスフォーメーション(DX)、イノベーション、グリーントランスフォーメーション(GX)などについて、議長国を中心にASEANを政策面で支援している。

経産省は引き続き、さまざまなチャネルを活用しながら、重要産業の特定と育成、ASEANのサプライチェーンの強靭化への協力を通じて、日ASEANのウィンウィンの関係の実現に向けて取り組んでいく。

【国際協力本部】

「2026年4月16日 No.3726」一覧はこちら