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Policy(提言・報告書) 経済連携、貿易投資 グローバル化時代のOECDのあり方に関する提言 -わが国のOECD加盟50周年にあたって-

2014年2月18日
一般社団法人 日本経済団体連合会

経済協力開発機構(以下OECD)は、欧米が対等のパートナーとして自由主義経済の発展に向けて協力するため、1961年、20か国により設立された。それから後れること3年、1964年にわが国は、欧米以外では初めての、21番目のOECD加盟国となった。同年に開催された東京オリンピックとともに、わが国の戦後復興を印象づける出来事であった。OECD加盟によって、わが国は先進国への仲間入りを果たし、また、加盟の要件であったOECD資本移動自由化規約等の受入れを通じて、開かれた経済体制へ移行のきっかけを得、その後の発展の礎を確立することになった。

半世紀を経た今、国際環境が大きく変化する中にあって、OECDも役割の見直しが求められている。一方、長きに渡ったデフレからの脱却と経済再興の途上にあるわが国にとって、持続的な経済成長を実現し、世界から信頼される国となるためには、内にあっては構造改革を断行し、外にあってはグローバルな経済秩序の維持・形成(以下グローバル・ガバナンス)に積極的に貢献していくことが不可欠となっている。

OECD経済産業諮問委員会(以下BIAC)に加盟以来、BIACを通じてOECDの活動に一貫して関与してきた経団連として#1、わが国のOECD加盟50周年にあたり、グローバル化が広く深く進行する時代のOECDの役割について、OECD諮問委員会(委員長:斎藤勝利 経団連副会長・BIAC副会長)を中心に改めて検討を行った。以下は、その検討に基づく提言である。

1.国際環境の変化

今日、マクロ経済政策はもちろんのこと、一国が採用する国内政策・制度が他国の国内政策・制度に影響を与える程に経済のグローバル化が進んでいる。同時にデジタル技術をはじめ技術が急速かつ非線形的に発展し、経済のグローバル化、相互依存を更に促すとともに、グローバルに対応すべき新たな課題を提起している。また、東西冷戦が終結、ソ連が崩壊し、自由主義的な規範が広まる一方、中国、インドなどアジアを中心に経済規模の大きい新興国が台頭した。その結果、冷戦終結前に世界経済の大宗を占めていたOECD加盟国の世界経済に占める割合が低下している#2

こうした国際環境の変化に伴い、各国間の協力・政策協調やグローバルなルール策定が求められる課題が増大している。他方、単一の国際組織(国際機関のみならず、非公式の国家間の組織的協力を含む。以下フォーラム)では、多様化・複雑化する課題に対処することは不可能であり、また、多数国が参加するフォーラムでは、各国の利害が錯綜し、合意形成が困難であることがはっきりしてきた。一方、例えば通商分野の自由化に見られるように、地域を単位とする取組みや志を同じくする複数国による取組みが増加している。また、サイバー空間をめぐる規律のように議論・検討を行う適切なフォーラムが未だ確定していない課題もある。

このような中、課題毎に異なる各国・地域の多様な利害を調整し、グローバル・ガバナンスを実現していくためには、二国間、複数国間(OECDもこの一つ。また、地域単位のものを含む)、多数国間の各種フォーラムの協力・連携が不可欠となっている。

2.OECDの現状

OECDの加盟国は設立時の20か国から34か国に拡大した。特に冷戦終結後の加盟が10か国と顕著である。一方、この間に台頭した新興国に対しては、関係強化に努めている。現在、ロシアが加盟候補国となっており、また、昨年のOECD閣僚理事会において、コロンビア、ラトビアの加盟に向けた手続を開始することが決定された。この他、インド、インドネシア、中国、ブラジル、南アフリカの5か国を関与強化国に指定している#3

OECDは、交渉の場ではなく、「顔の見える議論」、「仲間同士の穏やかな圧力」#4を通じた先進国間の協力・政策協調、ルール策定の場として機能し、「先進国標準」を形成している。また、事務局の高い分析能力、加盟各国の専門家同士のネットワーク、経済界(BIAC)・労働界(OECD労働組合諮問委員会:TUAC)からのインプットをベースとした分野横断的な検討作業、国際的な調査・経済見通し等に基づいて、各国における各種政策の決定・実行を支援している。さらに、先進国のシンクタンクとして新たな課題に先導的に取り組んできた結果、取り扱う分野が広範にわたり、「世界最大のシンクタンク」と呼ばれるようになっている。近年は、2008年に発足したG20サミットで取りあげられる事項に関する調査・分析などG20サミットの支援機能#5をも担うようになっている。

他方、加盟国の拡大に伴い、「先進国クラブ」、即ち少数の同質的な国が集まるフォーラムとしての性格やOECD閣僚理事会のG8サミットの準備会合としての性格が薄れつつある。また、新興国をメンバーに含むG20サミットが発足し、「国際経済協力の第一のフォーラム」と位置づけられたことで、グローバル・ガバナンスにおけるOECDの役割が曖昧になっている。さらに、加盟国が増えたことなどによって、各種ルール・政策の実行を促す相互審査(ピアレビュー)の効力が低下することのないよう留意する必要がある。

このような中、グリアOECD事務総長は、「行動するシンクタンク」を標榜し、OECDの組織と機能の強化に努めている。

3.OECDに求められる役割

(1) 基本的な方向性

上記の国際環境の変化およびOECDの現状を踏まえ、「行動するシンクタンク」としてOECDに求められる役割を考えれば、その基本的な方向性は、「選択と集中」、即ちOECDが持つ強みや特徴を更に磨き、それらを十分に活かすことである。

具体的には、加盟国については、自由、民主主義、法の支配、市場経済、人権尊重といった基本的な価値観を共有していることを重視し、それら価値観に基づいて策定されたOECDルールを受け容れる意思と能力を有する先進国で引き続き構成されるべきである。また、「先進国の有志連合」(the coalition of like-minded advanced countries)として、議題の設定、政策の決定・実行等を通じて各種グローバル・ガバナンスのコアとなるべきである。他のフォーラムがコアとなる分野にあっては、OECDが比較優位を有する特定の課題に関する「最良のソリューション・プロバイダー」(the best provider of knowledge and solution)としてグローバル・ガバナンスに貢献することが重要である。

(2) 強化すべき機能

そのためには以下の3つの機能を強化すべきである(それぞれの具体例は別紙参照)。

  1. OECDルールの履行確保とルール非参加国との公平な競争条件の確保
    基本的な価値観を共有するOECD加盟国が中心となって策定した、あるいは今後策定するルール(決定、勧告、指針等)について、相互審査等を通じてその履行を確保することが実効性を担保する上で重要である。また、そうすることによって、他のフォーラムが上乗せ・横出し的なルールを策定し、OECDルールの実行・普及を妨げたり、企業に無用な負担を課すような事態を回避する必要がある。
    新興国等のルール非参加国との公平な競争条件については、OECDにおいてルールを策定後、政策対話によるアウトリーチによって、あるいは新興国も参加するG20サミットや世界貿易機関(WTO)等の多数国間フォーラムを媒介して確保することを基本とすべきである。ただし、多様な価値観を反映することが求められる場合など、課題によっては、新興国等にもルールの策定・見直し過程への参画を認めるなど柔軟に対応する必要がある。

  2. 客観的データに基づく政策決定・実行の支援
    調査・統計・見通し等の客観的データを各国や各種フォーラムに提供することによって、国内的・組織的に困難の伴う諸課題に対処する政策の決定を促すとともに、ベンチマークの設定、相互審査等を通じて着実な実行を確保する必要がある。

  3. 各国・地域のベストプラクティスの共有
    議論・検討を行う適切なフォーラムが確定していない課題等に関し、各国・地域のベストプラクティスを共有し、対処を促すことによって、問題の深刻化を防ぐとともに、課題によっては、将来のルール策定につなげる必要がある。

なお、従来、OECDの活動の中核を担ってきた各国の経済見通し#6ならびに加盟各国および新規加盟候補国、関与強化国のマクロ経済および構造問題に関する国別審査報告は、各国の経済政策に一定の影響を与えており#7、これらの活動は引き続き重要である。

最近の新しい取組みとしては、各国共通の課題である若年者雇用について、2013年に「若者のための行動計画」#8が取りまとめられ、本年の閣僚理事会に各国における対策の進捗が報告される予定となっている。また、同じく2013年に「教育、雇用、起業におけるジェンダー平等に関する理事会勧告」#9が策定された。わが国においても、若年者の雇用促進、女性の活躍推進は重要な課題となっており、OECDの取組みがこれら課題の推進に資するものとなるよう期待する。

(3) 機能強化にあたって留意すべき点

上記(2)のような機能の強化にあたって、次の点に留意する必要がある。

  1. 分野横断的な検討の徹底
    グリア事務総長のリーダーシップの下で、特に世界金融・経済危機以降、イノベーション戦略等の策定にあたって、各局・各委員会の縦割りを排除した分野横断的な検討が行われてきている#10。こうした分野横断的な検討を一層徹底する必要がある。そのためのインフラとして、情報通信技術を活用し、各局・各委員会の検討・議論の内容をBIACなど諮問機関を含めて共有・活用できるようにすべきである。

  2. アジアの視点の反映
    アジアに対してOECDルールの浸透を図るとともに、アジアの視点をOECDルールに反映する上で、アジア各国に個別にアプローチするだけではなく、非拘束性を特徴とし、グローバル・ルールへのパスファインダーとしての役割が期待されているアジア太平洋経済協力(APEC)#11ならびに東南アジア諸国連合(ASEAN)、東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)等のアジアの地域組織と連携する必要がある#12。そうすることは、取組みの重複を排除し、ルールの迅速な策定・普及を可能にするとともに、環太平洋、環大西洋に比べてパイプが細いアジア欧州関係を補完することにもつながると考えられる。また、グローバルなルール作りにおいては、アジアに馴染みやすい自主的な行動規範との組合せでガバナンスを実質的に確保していくことが有効である。

  3. 経済界との対話の一層の強化
    経済のグローバル化、技術の進歩、ビジネスモデルの多様化に伴い、それらの最前線に立つ企業・経済界が、政府に代わって政策協調、ルール策定をリードする場面さえ想定される今日、OECDは、BIACを通じた経済界との対話の一層の強化に努めるべきである。その際、BIACに対する議題の提示や資料の提供を出来る限り早めに行うことが対話の実をあげる上で重要である。
    一方、BIACとしては、限られた人的・財政的資源を有効活用することによって、企業・経済団体から寄せられた具体的かつ実践的な見解を効果的に発信し、OECDにおけるルール策定等に原案段階から参画するとともに、ビジネス・フレンドリーな環境の整備を働きかける必要がある。そのためには、OECDの諮問機関であるからといって、OECDが設定する議題に従って意見を述べるだけにとどまらず、むしろ企業・経済界が直面する課題について、日頃からOECDの関係部局・委員会と接触を保ち、積極的に発信していくことが重要である。また、技術革新に伴い産業融合が進み、ビジネス相互の垣根が低下する中にあって、BIACにおいても分野横断的な検討が不可欠である。さらに、新興国や途上国へのアウトリーチについては、OECDに先駆けて先導的な役割を担う必要がある。
    なお、企業・経済界の意見をOECDの政策協調・ルール作り等に効果的に反映するためには、BIACを通じたOECDへの意見具申と並行して、加盟団体を通じて各国政府に直接働きかけることも有効である。

(4) 活動の定期的評価

OECDの活動については、報告書の発表、会議の開催等のアウトプットではなく、アウトカム、即ち各課題に関するグローバル・ガバナンスの確立という目標の実現度合いとそれに対するOECDの寄与度によって定期的に評価すべきである。その結果に基づいて活動の「選択と集中」を行うことによって組織の肥大化・硬直化を防ぎ、人的・財政的資源を上記(2)の3つの機能やOECDが比較優位を有する分野に集中投下すべきである。

4.OECDと日本

(1) OECDの活用

わが国としては、以上のようなOECDの活動の成果や機能を経済再生をはじめとする国益の実現に大いに活用すべきである。具体的には、ルール策定への参画を通じた国際事業活動支援、客観的データによる国内構造改革の推進、ベストプラクティスの共有による国際的な信頼の向上、分野横断的プロジェクトへの参画を通じた縦割り行政の是正が挙げられる。

これらを実行していくにあたっては、OECDの人的・財政的資源を日本にとって有益なテーマに振り向ける必要があるが、それには、世界第3位の経済大国として活力を維持することが前提となる。その上で他の加盟国との仲間づくりを積極的に進めること、関連する会議の運営にあたって主導的な役割を担うことなどによって発言力を確保し#13、議題の設定段階から関与していく必要がある。そのためにも、企業からのインターンを含めてOECD事務局における日本人職員#14を増員することが求められる。

  1. ルール策定への参画を通じた国際事業活動支援#15
    OECDにおけるルール策定は、構想段階では必ずしも現実の問題ではなく、将来起こり得る事態を先取りして行われることが多く、その重要性を見逃しがちである。また、ルール化された後、時間を経て国内法制化され、あるいは国際的に認知された基準として法的な機能を果たし得る可能性がある。
    わが国としては、資本移動自由化規約、OECDモデル租税条約、電子商取引における消費者ガイドライン等に見られるように、これまでもOECDルールを受けて国内外のビジネス環境を整備してきたが、どちらかと言えば受け身の姿勢であったのが実情である。今後は、「ルールを守る」から「ルールをつくる」との姿勢で政府・経済界一体となって、あるいは加盟国の経済界と連携してOECDルールの構想・策定段階から関与し、企業の国際事業活動を支援していくことが重要である。

  2. 客観的データによる国内構造改革の推進
    安倍政権の経済政策の「第三の矢」である成長戦略に注目が集まる中、わが国が持続的成長を遂げる上で不可欠な財政、社会保障、規制・制度面の構造改革を推進する際に有益と考えられる統計、予測、他国の改革成功事例などOECDが有する客観的データを活用し、政策の必要性、正当性を訴えることによって、改革を推進する必要がある。

  3. ベストプラクティスの共有による国際的な信頼の向上
    急速に進む高齢化、多くの自然災害のリスク、資源面の制約など、多くの国がいずれ経験する、あるいは他国にモデルとなる先例のない課題を抱えるわが国においては、健康増進・予防、防災・減災、エネルギー・温暖化防止等に関する政策・ノウハウの蓄積が期待される。OECDを活用し、それらのベストプラクティスを各国・地域と共有することによって、国際社会におけるわが国の存在感を高め、信頼を向上させるとともに、ビジネス機会の拡大につなげることが重要である。

  4. 分野横断的プロジェクトへの参画を通じた縦割り行政の是正
    わが国行政については、縦割りの弊害、司令塔機能の欠如が指摘されて久しいが、OECDへの対応についても、各課題を担当する省庁毎の縦割りになりがちであり、各省庁の主張を戦略的な観点から一本化する、あるいはOECDにおいて検討されている課題を戦略的に咀嚼して各省庁に検討作業を割り振るといった機能が不十分との指摘がある。このような中、OECDが実施している分野横断的なプロジェクトに積極的に参画していくことは、縦割り行政を是正していく上で有益と考えられる。

(2) OECDを通じたグローバル・ガバナンスへの貢献

わが国として、OECDを通じて、グローバル・ガバナンスに積極的に貢献していくことも必要である。そうすることは広く世界から信頼を得ることにもつながる。上記(1) 3. のベストプラクティスの共有は、この点からも重要である。

アジアの中で他国に先駆けてOECDに加盟したわが国は、1996年の韓国の加盟を支持し、その後も東南アジアとの関係強化を働きかけてきた。今後はこうした取組みを更に強化し、OECD加盟国が共有する基本的な価値観に基づき策定されたルールや規範を自らの制度や行動に体現し、それらが欧米先進国の利益を超えた普遍性を有することをアジア諸国に示すこと、そして3(3) 2. で指摘したアジアの視点をOECDルールに積極的に反映すること、が重要である。そのような形でOECDとアジアとを双方向で橋渡しすることこそ、わが国に求められている役割である。

本年5月のOECD閣僚理事会においては、わが国が議長を務め、「東南アジアとの関係強化」をテーマの一つに取りあげることになっている。同理事会をそのような役割を更に強化する契機とすべきである。

本提言の結びにあたり、わが国におけるOECDに対する関心が決して高いとは言えない現状にあって、今年開催が予定されている加盟50周年関連事業がわが国のOECDへの関心を高める良い機会となることを期待する。

経団連としても、わが国企業がOECDを通じてグローバル・ルールの策定に参画する機会を広く提供することによって、OECDが真に有用な国際組織として認知されるよう努力する所存である。

以上

  1. 1963年6月、経済団体連合会、日本商工会議所、日本経営者団体連盟、日本貿易会、国際商業会議所日本国内委員会の5団体がBIAC日本委員会を組織し、日本のOECD加盟を待って、1964年5月、BIACに加盟。BIAC日本委員会は1975年より経団連の常設委員会となり、1980年に名称をOECD諮問委員会に変更、現在に至る。
  2. OECD設立時1961年のOECD加盟20か国の世界のGDPに占める割合は85%。冷戦終結前の1988年のOECD加盟24か国の割合は82%、2012年のOECD加盟34か国のそれは72%(世界銀行、2005年米ドル価格ベース)。2014年のOECD加盟34か国の世界のGDPに占める割合は62%、2020年は56%、2060年は41%と予測(OECD、2005年購買力平価ベース)
  3. 2007年のOECD閣僚理事会でイスラエル、エストニア、スロベニア、チリ、ロシアとの加盟協議開始、インド、インドネシア、中国、ブラジル、南アフリカとの関与強化(将来の加盟の可能性を視野に入れる)、地域的協力関係強化の優先地域として東南アジアを指定することを決定。2010年にイスラエル、エストニア、スロベニア、チリが加盟
  4. 村田良平『OECD-世界最大のシンクタンク』(中公新書 中央公論新社 2000年)51頁
  5. 2013年のOECD閣僚理事会に提出された資料 "The OECD's Global Relations" によれば、各委員会の活動に沿って専門的助言、政策提言を行うことで、G20のほぼ全ての作業に貢献。具体的な分野として、構造改革、雇用、税制、汚職防止、貿易投資を例示。
    http://www.oecd.org/mcm/C-MIN(2013)13-ENG.pdf
  6. 「経済アウトルック」、「雇用アウトルック」など
  7. 例えば、2013年に来日したグリア事務総長は、4月24日開催の経団連OECD諮問委員会との会合において、対日審査報告書に基づき、わが国に対し、(1)対日直接投資、経済連携協定の推進を通じたグローバル・バリュー・チェーンへの関与強化、(2)農業の競争力強化のための農政の改革、(3)海外との共同研究の拡大など開かれた研究開発の推進、(4)情報通信技術分野のイノベーションの利活用、(5)女性、高齢者、若者など人的資源の最大限の活用、(6)移民政策の検討、を提言。〔経団連OECD諮問委員会『BIAC NEWS』(No.383、2013年10月)、『経団連タイムス』(2013年5月16日号)より転載〕グリア事務総長は、2013年4月23日開催の第7回産業競争力会議にも出席し、日本の生産性を向上させるための課題として上記と同趣旨を発言。
    http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/skkkaigi/dai7/gijiyousi.pdf
  8. http://www.oecd.org/newsroom/Action-plan-youth.pdf
  9. http://www.oecd.org/mcm/C-MIN(2013)5-ENG.pdf
  10. グリア事務総長は、2013年のOECD閣僚理事会に提出した資料 "Strategic Orientations of the Secretary-General 2013 and beyond" において、進行中の分野横断的なプロジェクトとして、開発戦略、グリーン成長戦略、イノベーション戦略(改訂)に言及。
    http://www.oecd.org/mcm/C-MIN(2013)1-ENG.pdf
  11. 経団連提言『アジア太平洋地域の持続的成長を目指して-2010年APEC議長国日本の責任』(2010年6月15日)において、「APECがその非拘束性といった特徴を活かし、多数国間で合意が難しいと思われる課題の解決に向けて、パスファインダー(特定の地域・グループの中で協力の実績を作り、改善を重ねることによって、協力の輪を広げていくこと)の役割を果たすことを期待する。例えば、ITAのWTOにおける協定化にAPECが貢献したように、環境物品・サービスの自由化やクラウドコンピューティングといったネットワークを通じたICTサービスのルール整備等においても、APECにおける取組みを梃子に、WTOをはじめとする多数国間における合意の形成につなげていくべきである」と提言。
  12. 2013年のOECD閣僚理事会に提出された資料 "The OECD's Global Relations" では、東南アジアに関するOECDの検討分野として、規制改革(主な協力組織はAPEC)、情報通信(APEC)、投資(ASEAN)、汚職防止(アジア開発銀行:ADB)、資本市場改革(ADB研究所)等が挙げられているところ。
    http://www.oecd.org/mcm/C-MIN(2013)13-ENG.pdf
  13. OECD加盟34か国中21か国がEU加盟国であることを考慮すれば、EU内の規制・制度の策定過程への関心・関与も重要な課題。
  14. OECDにおける日本人職員数は2012年12月末現在59人(専門職以上。通訳・翻訳等の語学ポストは含まない。OECD調べ)。
  15. OECDにおけるルール策定の重要性を指摘したものとして、2012年7月13日開催の経団連OECD諮問委員会総会における小寺彰東京大学大学院教授の講演〔『BIAC NEWS』(No.382、2012年9月)、『経団連タイムス』(2012年7月26日号)より転載〕を参照

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