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会長コメント/スピーチ 記者会見における会長発言 定例記者会見における中西会長発言要旨

2020年7月6日
一般社団法人 日本経済団体連合会

【エネルギー政策】

次期エネルギー基本計画の検討や、未来投資会議でのエネルギー政策のあり方について議論が今後始まる。現在のエネルギー基本計画で示されたエネルギーミックスは実現できていない。加えて、原子力発電所や火力発電所の老朽化も進んでいる。電力市場が縮小している中でも再エネや研究開発投資も含めた電力投資が進むように、エネルギー政策を構築する必要がある。

本日の会長・副会長会議で、気候変動・エネルギー問題への対応について、各々の基本的なスタンス・考え方を共有した。これを踏まえ、今後の、政府等における議論に対応していきたい。

梶山経済産業大臣が、非効率な石炭火力発電の休廃止について検討指示(2020年7月3日)した。これは既定路線であり、また、原子力発電所の停止を補うために、古い石炭火力発電所を再稼働させていた事情もあり、個人的に驚きはない。石炭火力発電は発電単位当たりのCO2排出量が多いという批判に応える観点からは一歩前進である。

日本の超々臨界圧発電は高効率であるが、材質からして異なり、それなりの価格となる。ESG投資の流れの中で、石炭火力発電所の輸出への政府支援に海外で厳しい批判があることに留意すべきである。

【働き方改革】

コロナ禍を契機として、テレワークの導入など働き方の見直しにより生産性向上というメリットが明らかになった一方、在宅勤務における時間管理や設備環境のあり方に関してボトルネック・課題も判明した。日本の働き方をどう見直していくか具体策はこれからであるが、フレキシブルでエンゲージメントを高める働き方へと改革を加速していくため、経団連は、テレワークの制度的な位置づけはもちろんのこと、厳格な時間管理をベースとする労働基準法の見直しの検討を進めていく。

【新型コロナウイルス感染症対策】

(東京都における新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)新規感染者数が5日連続で100人を超えたことについて)爆発的な感染拡大とまでは言えない数値と認識している。日本の感染予防策は、個人の行動規範を柱としており、ある程度感染者数が増えてしまうのは想定内である。三つの密の回避、手洗い、マスクの着用など自覚ある行動を繰り返し求めていくしかない。経済界も引き続き、行政・自治体と連携して対応を進めていく。

雇用情勢に関し、失業者数は少ないものの休業者が増加しており、楽観できない状況にある。雇用調整助成金はじめ財政支援も永遠には続かない。倒産・廃業が増えると雇用維持どころではなくなる。状況を注視しつつ適時適切な対策を講じるべきである。

【国土強靭化】

日本各地で毎年のように大規模災害が発生する中、高度経済成長期に整備された社会インフラとりわけ治水対策を見直す必要がある。今般の九州豪雨では多数の方が亡くなられており、非常に深刻な状況である。国土強靭化は待ったなしの課題であり、政府と議論して対応策を整理していきたい。

【小池都知事再選】

小池都知事とは、Society 5.0の実現や都の国際競争力強化などについて、かねてより課題認識を共有している。新型コロナ対策や東京オリンピック・パラリンピックの開催など共に取り組むべき課題は多々あり、協力関係を強化していきたい。

以上

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