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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2012年6月7日 No.3088 第22回日タイ合同貿易経済委員会開催 -タイ経済界と経済連携高度化・メコン地域開発の協力推進で合意

経団連の日タイ貿易経済委員会(小林栄三委員長、伊藤一郎共同委員長)は5月28日、東京・大手町の経団連会館で、タイ商業・工業・金融合同常任委員会(JSCCIB)とともに、第22回日タイ合同貿易経済委員会を開催した。小林委員長、チャットシリ・ソーポンパーニッJSCCIB会長が共同議長を務め、伊藤共同委員長、ポンサック・アサクン・タイ貿易院会長、チェン・ナムチャイシリ・タイ工業連盟副会長をはじめ、日タイ双方の経済界から約120名が参加し、アジアの経済統合を視野に、日タイ間の今後の具体的協力について意見交換を行った。また、開会式では、ウィーラサック・フートラクーン駐日タイ大使からあいさつがあり、日本の洪水支援に対する謝意が表明された。

会合を通じて、両国経済界は、日本とタイがアジアの経済的繁栄を共に促進するための戦略的パートナーであり、2020年までのアジア太平洋自由貿易地域(FTAAP)の構築が共通の目標であるとの認識で一致した。

また、環太平洋経済連携協定(TPP)について、タイ側から、日本の交渉参加を支持するとの見解が示された。

インフラ整備のセッションでは、日本側から、タイにおける災害に強いインフラの整備を進めるための提案を行った。具体的には、今後協力の可能性が高い分野として、メコン地域をカバーする人工衛星や、石炭・ガス火力等による発電所整備の事例が紹介された。また、両国経済界は、メコン地域の共同ドナーとして、日タイ両国が同地域のインフラ整備で積極的な役割を果たすべきとの考えで一致した。これに関し、イタリアン・タイ社の代表から、ミャンマー・ダウェイで進めている港湾、経済特区の整備をはじめとする35億ドル規模の開発プロジェクトについて説明があり、日本企業との連携に期待が寄せられた。

日タイ経済連携協定(JTEPA)のセッションでは、両国経済界は、発効から5年後の見直しを迎えるこの機会に、関税撤廃、投資・サービスの自由化、人の移動の自由化等を進め、より包括的かつ質の高いEPAとすべきであるとの考えで一致した。また、これを実現するため、両国の政府に対して、年内の可能な限り早い時期に物品貿易小委員会およびビジネス環境向上小委員会を開催するよう求めることで一致した。

日タイ間の新しい協力分野に関するセッションでは、日本側から、タイにおける消費市場の拡大や第三国での協力の拡大を踏まえ、エコ住宅、金融サービス、観光での協力促進を提案した。一方、タイ側から、水管理、エコ産業タウン、相互に産業サプライチェーンを構築する“お互い”事業継続モデルの採用で協力が求められた。

閉会セッションにおいて、両国経済界は、議論の結果をサマリー(英文)として取りまとめ、そのなかのいくつかの提言については、実現に向けて関係各方面に働きかけることで合意した。

日タイ双方の経済界から約120名が参加した
日タイ合同貿易経済委員会

【国際協力本部】

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