6月28日、スロバキア共和国のガシュパロヴィチ大統領、ライチャーク副首相兼外務大臣、マラティンスキー経済大臣ら一行が、東京・大手町の経団連会館を訪れ、ヨーロッパ地域委員会(小林喜光共同委員長、横山進一共同委員長)との昼食懇談会に出席、続いて米倉弘昌会長と懇談した。
当日のガシュパロヴィチ大統領の発言概要は次のとおり。
日・スロバキア間の経済関係の発展に対する経団連の支援に感謝している。今回の訪日が、両国の新たな協力関係の幕開けとなることを期待している。
■ 先端技術に関する付加価値の高い投資を期待
投資先としてのスロバキアの魅力として真っ先に挙げられるのは、欧州の中心に位置し、西欧の大国と発展を遂げる東欧をつなぐ役割を果たしていることである。ウィーン、ブタペスト、プラハ、ベルリン、モスクワなど周辺の主要都市へも短時間でアクセスが可能である。実際、スロバキアに物流拠点を置く北欧企業が増えている。また、労働者の教育水準が高いことも強調しておきたい。外国企業による投資に対する政府の支援もある。
韓国や中国の企業もすでに進出しており、日本企業も、スロバキアに対して関心を高めてほしい。具体的には、ICT、バイオテクノロジー、ナノテクノロジー、ロボティクス等の先端技術に関する付加価値の高い投資を期待している。
なお、スロバキアは、旧共産圏ではいち早く2009年1月にユーロを導入した。現在はユーロ危機の渦中にあるが、導入の判断を後悔はしていない。
■ 日EU・FTA/EPAの早期交渉開始を支持
スロバキアは小国であることから、開放的な経済を維持しており、また、自動車を中心に輸出に多くを依存している。日EU・FTA/EPAの締結は、そうしたスロバキアにとって有利に働くと考えており、早期交渉開始を基本的に支持している。交渉の結果、双方にとりwin-winの成果が得られることを期待している。国内の主要産業も早期交渉開始を支持している。
【国際経済本部】