経団連は25日、金融庁監督局長ならびに経済産業省経済産業政策局長から、売掛金担保融資の活用促進に向けた協力要請を受けた。
要請は、2013年1月11日に閣議決定された「日本経済再生に向けた金融経済対策」において、中小企業・小規模事業者等(以下、「中小企業等」)に対する支援として、「経営改善・事業再生支援、資金繰り支援」対策の一つとして、「動産・売掛金担保融資(ABL)の活用促進」が掲げられたことを踏まえたものである。
動産・売掛金担保融資は、商品在庫や売掛金を担保とする融資手法であるが、これまではあまり利用されてこなかった。実際の企業間の商取引契約等においては、売掛金債権が転々流通し、債権者が変わることにより、支払いの手続きが煩雑になることや二重払いのリスクが生じることを回避する目的で、債権譲渡禁止特約が付されていることが多く、そのことが売掛金等を担保とする融資が進まない原因となっているとの指摘もある。
中小企業等の経営改善の促進や、わが国経済を牽引する成長企業の育成の観点から、不動産担保に依存しない新たな融資手法として、動産・売掛金担保融資は、今後より活発に利用されることが期待されていることから、金融機関への担保提供を目的とする債権譲渡について中小企業等から相談があった際は、債権譲渡禁止特約の解除に向けて可能な限り柔軟に対応するよう、今般、周知協力の要請があったものである。
会員各社におかれては、すでに取引相手からの要請に応じて個別に債権の譲渡や担保提供を承認したり、ファクタリングや一括支払信託等を利用したりすることにより、資金繰りの円滑化に柔軟に対応いただいているところであるが、今後も売掛金担保融資にかかる要請や相談があった場合は、それぞれの実情に応じて、適切な対応の判断をあらためてお願いしたい。
【経済基盤本部】