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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2013年7月11日 No.3138 COP19に向けた国内外の動向と日本政府の対応聞く -環境安全委員会

今年1月、地球温暖化対策に関して、11月にポーランドで開催される国連気候変動枠組条約第19回締約国会議(COP19)までに環境大臣と関係大臣が協力して「25%削減目標をゼロベースで見直すとともに、技術で世界に貢献していく、攻めの『地球温暖化外交戦略』を組み立てる」よう総理指示が出された。そこで、経団連の環境安全委員会(坂根正弘委員長、天坊昭彦共同委員長)は2日、東京・大手町の経団連会館で会合を開き、COP19に向けた国内外の動向や日本政府の対応等について、経済産業省の片瀬裕文産業技術環境局長から説明を聞き、意見交換を行った。あわせて、「攻めの地球温暖化外交戦略への提言」(案)の審議を行った。片瀬局長の説明概要は次のとおり。

■ 国連気候変動交渉における主な動向

現在、温室効果ガス削減に関する2020年以降の国際枠組みについて、15年までに妥結すべく、国連交渉が進められている。今後、潘基文国連事務総長主催の首脳級会議(14年9月予定)に向けて、議論が本格化していくと考えられる。

米国は、主要途上国を含むすべての国の参加を前提に、各国がそれぞれの実情に応じた貢献目標を提出・誓約し、6カ月程度かけて各国が検証する、いわゆる「プレッジ・アンド・レビュー」方式を提案し、国際的な議論が活発化している。

EUも米国と類似の方式をベースに、各国が14年中に20年以降の目標の草案を提出するよう呼びかけている。

これに対し、途上国の一部は「共通だが差異ある責任」原則(注)に基づき、先進国が率先して高い目標を掲げるよう強硬に主張しており、今後具体的に議論を詰めていく必要がある。

(注)「共通だが差異ある責任」原則=すべての国・地域は、人類の活動によってもたらされた温暖化に「共通」の責任を有するが、温暖化の主な原因をもたらした先進国と途上国では責任に「差異」があるとの考え方

■ 2020年までの取り組み

20年までの取り組みに目を転じると、日本を除く先進諸国の20年の目標は達成可能なレベルでそろいつつある。

例えば05年比17%削減目標を掲げる米国は、石炭に比べCO2排出が少ないシェールガスの利用拡大により、目標は達成可能と見込まれている。また、EUの1990年比20%削減目標も、景気後退によりすでに09年時点で当該水準に達しているため、達成可能と思われる。

日本が総理指示を踏まえ、25%削減目標をゼロベースで見直す際、各国の動向等も見極めることが肝要である。

■ 当面の地球温暖化対策の方針等

日本国内の温暖化対策としては、今年3月15日の「当面の地球温暖化対策に関する方針」(地球温暖化対策推進本部決定、本部長=安倍晋三首相)を受け、「京都議定書目標達成計画」の実施・進捗点検を通じて得られた知見を活用しながら、エネルギー政策の検討状況を考慮しつつ、経済活性化に資するものを目指している。

また、成長戦略(「日本再興戦略」、6月14日閣議決定)も踏まえ、二国間オフセット制度を本格導入するとともに、新たな環境エネルギー技術革新計画を策定し、研究開発を推進していく。

【環境本部】

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