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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2013年9月5日 No.3144 経済外交委員会の初会合を開催 -岸田外相からわが国の経済外交について聞く

設立趣旨について述べる川村委員長(左)
と大林共同委員長

経団連(米倉弘昌会長)の経済外交委員会(川村隆委員長・大林剛郎共同委員長)は8月30日、岸田文雄外務大臣を来賓に迎えて東京・大手町の経団連会館で初会合を開催した。会合には約100名が出席した。

■ 外交と経済の連携のための戦略を検討

会合の冒頭、あいさつした川村委員長は委員会の設立趣旨について次のように述べた。

アジア太平洋地域のパワーバランスが大きく変化するなかで、政治・外交と経済はますます不可分となっている。こうした情勢下で、貿易・投資立国として経済成長を実現するとともに国際社会の平和と発展に貢献するためには、外交と経済の連携とそのための戦略が求められる。そこで、経済外交委員会では、日米同盟のさらなる強化や近隣諸国との関係改善などアジア太平洋地域の政治・経済秩序の安定、資源・エネルギー等の安定供給の確保、テロ・紛争時の在外邦人の保護等について、政府の体制や官民連携のあり方を含め広く検討したい。

■ わが国の経済外交

説明する岸田外相

来賓の岸田外務大臣は、外務大臣として、また国会議員として現場主義を心がけていると述べたうえで、経済外交委員会の設立が、経済の現場で活躍する企業と外交の現場を預かる政府関係者との新たな連携の端緒となることを期待すると述べた。

続いて岸田大臣は、わが国の経済外交について説明した。概要は次のとおり。

大臣就任以来、外交の三本柱の一つに「日本経済の再生に資する経済外交の強化」を掲げている。経済外交という場合、次の三つの側面を考える必要がある。

第一は、日本企業の海外展開支援である。なかでもインフラの海外展開については、2020年に30兆円のインフラシステム受注という目標を掲げ、日本の製品・技術の売り込みを文字どおりトップセールスで行っている。また、ODAを戦略的に活用するとともに、日本の多様な魅力を活用した日本企業支援にも取り組む。
さらに、邦人の安全確保については、在外公館と日本企業の情報交換など連携を強化していきたい。

第二の側面は、資源・エネルギーや投資・観光客の日本への流入の確保である。
新興国における需要の増大や資源ナショナリズムの高まり等があるなか、安定的で安価な資源・エネルギーの供給の確保は成長に不可欠である。そのため、資源国との関係強化や供給元の多角化を通じた交渉力の強化等に取り組んでいる。
投資・観光客の誘致については、国家戦略特区の設置等を通じ、対内直接投資残高の20年までの倍増を目指す。

経済外交の第三の側面は、国際的なルールづくりへの参画である。TPP(環太平洋経済連携協定)やRCEP(東アジア地域包括的経済連携)、日中韓、日・EUなどの経済連携協定交渉を主導して、高いレベルの協定とし、日本企業の利益につながるものとしたい。
また、G8・G20やWTO、OECD、APECなどの機会も活かし、国際的なルールづくりに積極的に取り組んでいく。

【国際経済本部】

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