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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2013年10月17日 No.3150 提言「真に実効的な将来枠組みの構築に向けて」公表

過去20年にも及ぶ国連気候変動交渉では、各国の温室効果ガス排出総量目標をトップダウンで設定しようとしたが、参加国の裾野を広げることができず、世界の排出量を抑制できなかった。しかし最近の国連交渉では、2020年以降の将来枠組みに関し、経団連がかねて主張してきた、各国が自ら目標・対策を策定するボトムアップ型のアプローチへの支持が広がりつつある。

経団連は、1997年6月に策定した自主行動計画でボトムアップ型取り組みを進め、大きな成果をあげている。この経験は、今後の議論の一助となると考えられる。

こうした観点から、経団連は提言「真に実効的な将来枠組みの構築に向けて」を取りまとめ、15日に公表した。概要は次のとおり。

■ 日本産業界の取り組み

ボトムアップ型のアプローチには、各主体から最大限の目標をいかに引き出すか、確実な実行をいかに担保するか、といった信頼性、透明性をめぐる課題がある。

日本産業界の取り組みでは、参加業種は最先端技術の最大限導入を前提に削減目標を設定するとともに、自らの目標の妥当性について説明責任を負う。目標と計画の進捗状況については、業界内・産業界全体で検証するとともに、第三者による評価委員会や政府の審議会が評価・検証を行い、その結果を踏まえ、必要に応じて計画を見直している。

13年度以降は、従来からの国内削減(ライフサイクル全体での削減を含む)に加え、国際貢献(海外での削減)、革新的技術の開発にも取り組む低炭素社会実行計画を推進している。

■ 将来枠組みへの示唆

日本産業界の取り組みを踏まえると、各国が主体的に目標を策定して国際的にレビューする将来枠組みとすることが重要である。

すべての国の行動を促すためには、各国が自国の経済状況等を踏まえて、適切な目標・行動を策定するボトムアップ型の仕組みが有効である。加えて、自国の目標・行動に関する説明責任を負うとともに、進捗状況を国際的にレビューすることで、最大限の取り組みを奨励することが可能となる。さらに、長期的かつ地球規模での削減を促す観点から、国際貢献や革新的技術の開発にも取り組むことが望まれる

各国の目標・行動を国際的にレビューするには、比較検証しやすい共通のフォーマットを定めるとともに、国際エネルギー機関(IEA)等の専門機関による評価に資するデータを提示することが有効である。

また、省エネ・低炭素型の技術・製品等のビジネス・ベースの普及に向け、貿易障壁の撤廃や知的財産の実効ある保護を前提とした技術移転を促進する仕組みを構築することも必要である。加えて、制度設計中の資金・技術メカニズムが相互に連携し、技術の普及を促進する環境の整備に資することが求められる。

■ 経団連の活動

経団連は、低炭素社会実行計画を通じて地球規模での温室効果ガス削減に貢献していく。あわせて真に実効的な将来枠組みの構築に向け、わが国産業界の経験や考え方を積極的に発信していく。

【環境本部】

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