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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2013年11月21日 No.3155 環境自主行動計画<温暖化対策編>2013年度フォローアップ結果概要版・総括評価報告を公表 -12年度CO2排出量は90年度比10.3%減少

経団連は、京都議定書の策定に先立ち環境自主行動計画(以下、「自主行動計画」)を策定し、「産業部門およびエネルギー転換部門からのCO2排出量を、2008年度~12年度の平均で1990年度レベル以下に抑制する」という統一目標のもと、地球規模での温室効果ガスの削減に取り組んできた。

その一環として19日、「環境自主行動計画〈温暖化対策編〉2013年度フォローアップ結果(2012年度実績)概要版」を取りまとめるとともに、「環境自主行動計画〈温暖化対策編〉総括評価報告」を公表した。概要は次のとおり。

1.12年度の産業・エネルギー転換部門CO2排出量およびCO2排出量変化の要因

自主行動計画には、産業・エネルギー転換部門から、合計34業種が参加している。この34業種からのCO2排出量は、90年度で5億584万トン‐CO2である。これは基準年である同年度のわが国全体のCO2排出量の約44%、産業部門およびエネルギー転換部門全体の排出量の約83%をカバーする広範な取り組みである。

今回のフォローアップの結果、12年度のCO2排出量は4億5369万トン‐CO2と、90年度比で10.3%減少(11年度比で0.2%減少)となった。90年度と比較して10.3%減少したCO2排出量変化の要因は、生産活動量およびCO2排出係数の増加により、それぞれCO2排出量の1.7%、2.1%の増加に寄与し、一方、生産活動量当たりの排出量の減少により、CO2排出量の14.1%減少に寄与したことによるものである。

2.総括評価

  1. (1)CO2排出量およびCO2排出量変化の要因(08~12年度平均の産業・エネルギー転換部門)
    08~12年度平均の34業種のCO2排出量は、4億4447万トン‐CO2となり、90年度比で12.1%減少となり、既述の統一目標を大幅に上回る結果となった。
    自主行動計画がかかる成果を上げた最大の要因は、生産活動量当たりの排出量の減少、すなわちエネルギー効率の飛躍的な向上である。90年度と比較した各年度および5年間平均のCO2排出削減寄与度をみると、各年度および5年間平均とも、生産活動量当たりのCO2排出量の減少が、CO2排出削減に最も寄与していることがわかる。

  2. (2)自主行動計画の具体的な成果例
    自主行動計画を通じて、CO2排出削減や、電力、鉄、銅、アルミ、石油、化学、紙、セメントなどのセクターにおけるエネルギー効率のさらなる向上に加え、自主行動計画を策定・実行・評価・改善する過程において、各企業が不断の技術開発・実用化や生産活動の効率化に取り組んだ結果、イノベーションが促進された。例えば、鉄鋼炉の熱回収設備であるCDQ(コークス乾式消火設備技術)、コージェネレーション、ヒートポンプ、ガスタービン発電と蒸気タービン発電を組み合わせたコンバインドサイクル等が代表的な事例である。

3.自主行動計画から低炭素社会実行計画へ

経団連は、真に実効性のある温暖化対策の促進を図るべく、これまでの自主行動計画の優れた点を継承し、13年度以降もたゆむことなく、「低炭素社会実行計画」を推進していく。具体的には、(1)国内の事業活動から排出されるCO2の2020年における削減目標の設定(2)消費者・顧客を含めた主体間の連携の強化(3)途上国への技術移転など国際貢献の推進(4)革新的技術の開発――の4本柱による実行計画を推進し、環境と経済の両立を図るとともに、地球規模での温室効果ガスの削減に貢献していく。

【環境本部】

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