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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2014年5月29日 No.3178 報告書「グローバルに活躍できるマネジャーの確保・育成に向けた取り組み」を公表 -企業に求められる対応を提示

経団連は13日、「グローバルに活躍できるマネジャーの確保・育成に向けた取り組み」と題する報告書を公表した。海外事業の戦略的な重要性が高まるなか、海外拠点の事業運営を担うマネジャーが「質・量」の両面から不足し、対応に苦慮している企業が多いことを受け、取りまとめたもの。

報告書は、基本的な考え方や取り組みの方向性などを示した「総論」と、15社の具体的な取り組みを収めた「企業事例」の二部構成となっている。
「総論」の概要は次のとおり。

海外マネジャーの確保・育成に定まった方策はないものの、先進的な取り組み事例を整理すると、企業に求められる対応として、次の四つが挙げられる。

1.人材像の明確化

自社のグローバル経営方針の実現に向けて、現地で求められる能力や役割を踏まえながら、海外マネジャーの人材像を明らかにすることが重要である。

海外マネジャーが備えておかなければならないベーシックな能力としては、「語学力」「異文化理解力」「ストレスマネジメント力」が挙げられる。そのうえで、(1)現地のキーパーソンを統率しながら事業を成功に導いていく「牽引者」(2)海外拠点で継続的に付加価値が創造できるよう現地スタッフを育成する「育成者」(3)現地法人との架け橋となってシナジー効果を高めていく「統合者」――の三つの期待される役割を意識しながら、人材像を明らかにする必要がある。

2.必要な海外マネジャー数の明確化

中長期的な視点を持ちながら、自社に必要な海外マネジャー数を明らかにすることも重要である。

企業事例では、サクセッションプラン(後継者育成計画)を策定し、現任者だけでなく、後継候補者も含めて必要な人数をカウントしている企業が多い。また、後継者の選定にあたり、どこにどのような人材がいるのかを「見える化」する必要があることから、グローバルな人材データベースを構築している企業も少なくない。

3.人材の確保・育成のあり方

海外マネジャーを「質と量」の両面から迅速に確保していくためには、「時間軸(スピード感)」を踏まえた検討が欠かせない。その際、「社内での育成」と「外部人材の活用」を自社にとって最適なバランスにしていくことが重要である。

社内での育成においては、OJTをベースとしながら、OFF-JTを効果的に組み合わせていくことが課題となる。人員配置や異動の範囲をグローバルに拡大しながら実施する「グローバル人材育成型OJT」を推進するとともに、OFF-JTでは早期育成に向けて選抜型研修の内容に強化していくことも選択肢となる。

外部人材の活用においては、異なるバックグラウンドや価値観を持った人材を社内に取り込んでいくことになるため、経営理念やバリューの共有など、一体感を高める取り組みが必要となる。その手段としては、わかりやすい冊子を複数言語で作成することや、外国人マネジャーを日本に招聘し、経営理念等を議論する場を設けることなどが挙げられる。また、ローカル人材の登用に向けて、自社の魅力などを積極的に発信することで、海外におけるブランド力を高める工夫などが求められる。

4.グローバル人事制度の構築

国籍にとらわれないグローバルな人材配置を徹底していく場合には、グローバルに統一されたジョブグレード(等級制度)の構築や、公平性・一貫性・透明性のある評価制度の整備などが必要となる。

人事制度をどこまでグローバルな仕組みに統一するかは、多様な人材をどこまで徹底してマネジメントしていくかで決まってくる。具体的な対応のあり方は各社各様であるものの、自社の中長期的なグローバル経営戦略を踏まえた最適な人事制度への見直しが重要となる。

※全文は http://www.keidanren.or.jp/policy/2014/044.html 参照

【労働政策本部】

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