経団連の企業行動委員会企画部会(吉田豊次部会長)は5月27日、東京・大手町の経団連会館で会合を開催し、森原憲司弁護士から、企業の反社会的勢力排除に関する最新情勢について聞くとともに、意見交換を行った。講演の概要は次のとおり。
暴力団構成員数は2011年の暴力団排除条例の全国施行を契機として、4年連続で減少し、今年3月の警察庁公表では5万8600人となった。
こうした背景には、暴力団排除条例の施行という立法面の取り組みにとどまらず、反社会的勢力排除が行政・司法も含めた国を挙げた取り組みとなっていることが挙げられる。
行政では、07年に、「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」が公表されたことを契機に、金融庁の各監督指針や経団連の企業行動憲章が相次いで改正・改定された。これら一連の動向は、企業の反社会的勢力排除が、従来の企業防衛という観点からの不当要求の根絶(有事対策)から、企業の社会的責任(CSR)の観点からの一切の関係遮断(平時からの対策)にシフトしたことを示している。
また、司法においても、企業活動から反社会的勢力排除を排除することは、社会的要請・課題であるとの認識に基づいた判決が複数示されており、注視が必要である。
各企業においても、反社会的勢力を経済活動のなかに安住させないための体制整備を進めていくことが重要である。
【政治社会本部】