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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2014年7月3日 No.3183 TPP交渉の進捗状況について聞く -TPP政府対策本部の澁谷内閣審議官から/貿易投資委員会

経団連は6月13日、都内で貿易投資委員会(勝俣宣夫委員長、芦田昭充共同委員長)を開催し、TPP政府対策本部の澁谷和久内閣審議官から、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の進捗状況について説明を聞いた。説明の概要は次のとおり。

■ 交渉の現状

TPPは、物品市場アクセス(物品の関税撤廃・削減等)やサービス貿易に加えて、非関税分野(投資、競争、知的財産、政府調達等)のルールづくり、新しい分野(環境、労働等)を含む包括的な協定として21分野で交渉がなされている。各分野について、経団連からも事前に要望が提出されており、それらも踏まえて各国と交渉している。

物品に関する関税の撤廃・削減等については、昨年7月、日本がTPP交渉に参加して以降、関税の完全撤廃を原則とした議論が中心で、日米物品交渉はあまり進まなかった。しかし、3月のハーグ核安全保障サミットにおいて、日米両首脳が交渉を前進させることで一致したことにより潮目が変わった。さらに、4月の日米首脳会談と閣僚協議、5月のシンガポール閣僚会合を通じ、物品市場アクセスについて日米双方が歩み寄り、それを受けて加盟国間の交渉が加速しつつある。

非関税分野では、「知的財産」「国有企業」「環境・労働」が難航3分野となっている。知的財産については、各国で異なる著作権の保護期間や医薬品のデータ保護期間等の統一等が焦点となっているが、政治的判断を要する課題が残っている。国有企業については、ベトナム、マレーシアなど途上国に多く、民間企業との対等な競争条件の確保が関心事項である。政府の補助金の規制のあり方等について議論しているが、先進国と途上国の意見の隔たりは大きい。環境・労働分野に関しても、途上国の環境保全や労働者の権利保護等の規制を強化できるかが焦点である。

以上の難航3分野も含め、7月の首席交渉官会合で議論することになる。

■ 交渉の今後の行方

5月のシンガポール閣僚会合において、甘利明内閣府特命担当大臣が関税の撤廃を原則とするホノルル合意に関し、「各国とも譲れない部分があることを認めないと、交渉のまとめに入れない」と述べたところ、複数の国から共感が得られた。交渉は今後、まとめモードに入っていくが、難航3分野以外の分野でも100以上の課題が残されており、6月中に事務レベルで詰める必要がある。

現在、7月にカナダで首席交渉官会合を開催すべく調整中である。また、首席交渉官会合直前に、日米物品交渉を東京で開催することも予定している。首席交渉官会合で議論が詰まってくれば、その後、閣僚会合を開催するかどうか判断する。現在、TPP交渉は最終段階にあるが、早期妥結を果たすためにも、今度の首席交渉官会合で方向性を示すことが重要である。

【国際経済本部】

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