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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2014年7月31日 No.3187 経団連夏季フォーラム2014開催 -「イノベーションによる成長力強化」をテーマに討議

夏季フォーラム懇親パーティーの東北復興支援コーナー前で
~安倍首相から「官民挙げて強い日本経済を取り戻し、日本を世界の
真ん中で輝く国にしていく」との力強いメッセージをいただいた

あいさつする榊原会長

経団連(榊原定征会長)は24日、東京・大手町の経団連会館で「夏季フォーラム2014」(議長=小島順彦副会長)を開催し、「イノベーションによる成長力強化―世界で最も活力のある日本へ」をテーマに討議を行った。

今回の夏季フォーラムは榊原会長のもとでの初めての開催であり、「経団連ビジョン」の取りまとめを見据え、イノベーションの推進、グローバルな成長の取り込みを通じて「日本再興」を果たすための経団連の方策について積極的な議論となった。

第1セッションでは、国際協力機構の田中明彦理事長が「新しい世界システムと日本の課題」をテーマに、第2セッションでは、産学連携推進機構の妹尾堅一郎理事長が「イノベーションを巡る、産業界の7つの問題」と題して、それぞれ講演するとともに、ディスカッションを行った。

そのうえで、参加メンバー間で、「経団連ビジョン」「政治との関係」「経団連活動のあり方」について意見交換を行った。

また、特別セッションでは、甘利明経済再生担当大臣が「骨太方針と日本再興戦略」改訂について講演を行い、民と政官とが連携し、それぞれが日本経済の活力向上に力を尽くすことを確認した。

フォーラム終了後の懇親パーティーでは、安倍晋三内閣総理大臣があいさつするとともに出席者との懇親を深めた。安倍首相のあいさつは別掲のとおり。

【政治社会本部】

安倍内閣総理大臣あいさつ

なぜ、私が強い経済を取り戻すことに、これだけこだわっているのか。それは、この20年間、デフレ経済が続いてきたなかで、日本人のなかから自信が失われてしまったからであります。それこそが、問題の本質であったといってもよいと思います。

「頑張れば報われる」「みんなで一緒に汗を流せば、今日よりも明日、今年よりも来年、もっとよくなる」、かつてはこう日本人は皆思っていたわけであります。この自信を取り戻すことが、最も重要なことであります。

国民の皆さまが自信を取り戻し、再び世界の真ん中で輝く国となるために、私たちは「三本の矢」を立て続けに放ったわけでございます。そして、この「三本の矢」の政策によって、日本は確実に変わりつつあります。

わが国のGDPは、6四半期連続でプラスになっています。そして、有効求人倍率は、1.09倍と21年11カ月ぶりの高水準になっています。

また、異例なことではございますが、「政労使会議」で賃上げをお願いしまして、この春、多くの企業に決断していただきました。

連合の調査によりますと、月給が2%以上上昇しており、15年ぶりの水準ということになりました。夏のボーナスも、経団連の調査では、昨年より平均で8.8%上がった。これはなんと、30年間で最高の水準ということでございます。

今年4月には、17年ぶりに消費税率を引き上げました。消費税率の引き上げによる消費の落ち込みも、一時的なものになると考えております。

また、長らく停滞していた企業の設備投資も、前向きな動きが本格化しつつあります。企業の収益が雇用の拡大や所得の上昇、次なるビジネスチャンスを創出する投資につながっていく。まさに経済の好循環を、われわれは生み出そうとしているところであります。

この動き始めた経済の好循環を、力強く回転させていくために、先月、私は成長戦略をパワーアップしました。安倍政権の改革に終わりはありません。私はその手綱を緩めるつもりはございません。

今回の新たな成長戦略は、成長志向に重点を置いた、法人税改革とコーポレートガバナンスの強化によって「稼ぐ力」を取り戻していきます。

いわゆる岩盤規制についても、私のドリルの刃は回り続けているわけであります。60年ぶりの農協の抜本改革の断行。医療においても、患者さんが希望すれば、最新の薬で治療を受けることができる、そんな制度を創設してまいります。そして、時間ではなく、成果によって評価される新たな労働時間制度に挑戦します。

新たな成長戦略では、「女性の力」が大きな柱であります。日本が生かしきれていない最大の潜在力といってもよいと思います。女性の輝く社会を実現できるよう、皆さまには、思い切った、大胆な行動で示していただきたいと思います。

肝心なのは「実行とスピード」であります。スピード感を持って、次々と改革を実行していく考えであります。

経済界の皆さまには、守りから攻めの経営に転換していただき、技術やヒトに対する、思い切った前向きな投資、そして、改革に向けた大胆な取り組みをお願いしたいと思います。まさに官民を挙げて、日本が再び世界の真ん中で輝く国にしていこうではありませんか。

今日のこの懇親会の御盛会を心からお慶び申し上げまして、私のあいさつとさせていただきたいと思います。

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