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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2014年8月28日 No.3189 ベアード・カナダ外相と懇談

ベアード外相(中央)と村瀬委員長(右)、土橋共同委員長(左)

経団連は7月28日、東京・大手町の経団連会館で、カナダのジョン・ベアード外相との懇談会を開催した。会合では、ベアード外相が日加関係の重要性や日加EPA(経済連携協定)、TPP(環太平洋経済連携協定)への期待などについて説明した後、出席者との活発な意見交換が行われた。経団連からは、村瀬治男カナダ委員長、土橋昭夫カナダ委員会共同委員長をはじめ約60名が出席した。ベアード外相の説明概要は次のとおり。

■ 日加関係

今年は日加両国が外交関係を樹立して85周年にあたる。もちろん、それ以前から両国間には交流があり、日本人移民第1号とされる永野万蔵がカナダに到着したのは1877年であった。

カナダにとって、日本は政治的・経済的価値観を共有するアジアにおける最も重要なパートナーであり、日加関係はカナダ政府の最優先事項である。日本にとっても、カナダは信頼できる同盟国であると自負している。

■ エネルギー分野における協力

経済関係全般についてさらなる緊密化を図り、両国の絆を強めたい。特にエネルギー分野では、両国で共通の利益が期待できる。豊富な資源・エネルギーを有し、それらの安定的な供給が可能なカナダは、この分野でも日本の重要なパートナーとなれる。今後10年で600以上の天然資源開発プロジェクトが計画されており、それには約6500億ドルの投資が必要とされる。日本企業からの投資を期待している。

原油に関しては、今は米国が最大の顧客であるが、パイプライン敷設などインフラ整備を進め、アジア市場への輸出拡大を図りたい。天然ガスについては現在、西海岸にLNGターミナルを建設中であり、日本の需要拡大に対応してエネルギー効率の向上に寄与することが十分可能である。

■ 日加EPA、TPPへの期待

両国関係の将来を見据えた取り組みとして、二国間のEPA交渉が挙げられる。交渉は2年前に始まり、ちょうど今日(7月28日)から第6回交渉会合がオタワで開催される。交渉開始前に行われた共同研究によると、日加EPA締結により両国のGDPは押し上げられ、日本の対加輸出額は40%近く増加する見込みである。ビジネスの円滑化や安定化、投資の拡大、さらには食料安全保障やエネルギー効率の向上にも寄与すると期待される。両国ともセンシティブ分野を抱えていることは承知しているが、カナダ政府は交渉妥結に向けて歩を進める準備がある。経団連にはさまざまな機会を活用し、日加EPAの重要性を大いに宣伝してほしい。

TPPもまた、両国にとってチャンスである。TPPと日加EPAは相互に補完的なイニシアティブであり、並行して進めるべきだと考える。

【国際経済本部】

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