Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2014年9月4日 No.3190  ソーシャルメディアを用いた社会貢献活動の情報発信について意見交換 -社会貢献担当者懇談会

経団連は7月25日、東京・大手町の経団連会館で社会貢献担当者懇談会(金田晃一座長)を開催した。会合では社会貢献活動の情報発信に関し、電通パブリックリレーションズのシニアPRコンサルタントの大川陽子氏と細川一成氏から「ソーシャルメディア時代におけるCSRコミュニケーションのトレンド」について、ライオンCSR推進部副主任の島崎博子氏から同社のブログ「CSRな社員より。」について説明を受けた。説明の概要は次のとおり。

■ CSRコミュニケーション推進の留意点(大川氏)

左から細川氏、大川氏

パブリックリレーションズ(PR)とはステークホルダーとのよい関係づくりを目指すものだ。その意味では、PRとCSRは非常に親和性が高い。CSRは広報やマーケティングと同様、社外との接点になる部門だ。そのため、CSR担当者が持つ資源は、情報発信する際の重要なコンテンツになる。

CSRコミュニケーションを推進する際に重要なのは、まず伝える中身。そして、伝える方法である。一貫したストーリーがなければ浸透しないし、伝わらなければ取り組みは広がらない。

■ ソーシャルメディアの活用策(細川氏)

ソーシャルメディアに限らず、ニュースリリース、ファクトブック、CSRレポートも、双方向コミュニケーションツールであり、生活者に評価され吟味されている。その意味で、ソーシャルメディアだからと特別視する必要はない。肩の力を抜いて情報発信してほしい。

ただ、ソーシャルメディアはある程度私的で緩やかなコミュニケーションが許される会話の場だ。その特徴を活かしたコミュニケーションの仕方、コンテンツの選択はあると思う。機密を扱っているような会社では、業務については触れづらい。そのような時、社会貢献活動は貴重なコンテンツになる。

■ ライオンの取り組み事例(島崎氏)

島崎氏

当社では、以前はCSR報告書やホームページで年間の社会貢献活動をまとめて報告していた。しかし、活動をリアルタイムに発信したいという思いから、ブログを立ち上げることにした。

最初は自分の投稿が中心だったが、関係者への依頼やフォーマットをつくり記入者負担を減らすなどの工夫をしたことで、さまざまな部門の社員に投稿してもらえるようになった。また、自社ホームページやイントラネットなどいろいろなところにリンクを貼ってもらい、アクセスの機会を増やす工夫もしている。

今後、社員が自発的に記事を掲載したいと思ってくれるとなおよい。そのためには、掲載したいと思わせる影響力のあるサイトにしたい。また、CSRや社会貢献に関心のない人のアクセスを増やしたいとも考えている。

【政治社会本部】