経団連は11日、「政治との連携強化に関する見解」を公表した。全文は次のとおり。
政治との連携強化に関する見解
わが国経済は、20年近くにわたるデフレの継続により、経済規模は縮小し、国際社会における存在感も低下するという閉塞感に包まれた時代を経験した。しかし、2012年末に発足した第2次安倍政権は、三本の矢からなるアベノミクスを大胆かつスピーディに実行し、その結果、わが国はデフレからの脱却を果たしつつある。また、2020年の東京オリンピック・パラリンピックという目標もでき、国民や企業のマインドも大幅に改善しつつある。
まさにいまこそが、日本復活に向けた最大かつ最後のチャンスといっても過言ではない。このような時にあっては、経済と政治とがいわば「車の両輪」となって、国民一人ひとりが将来への希望と自信を持つことができ、国際社会から信頼される国づくりを力強く進めていく必要がある。
経団連はこれまでも、民主導の経済社会の実現に向けた改革を加速するため、政治との連携を図ってきた。今後、経済活力と国民生活の向上に資する政策提言、政党・政治家とのコミュニケーション、官民一体となった経済外交の推進、企業人の政治参加意識の高揚などの活動をより一層積極的に行い、政治との連携を強めていく。
一方、政治寄附については、経団連はかねてより、民主政治を適切に維持していくためには相応のコストが不可欠であり、企業の政治寄附は、企業の社会貢献の一環として重要性を有するとの見解を示してきた。
政策本位の政治の実現、議会制民主主義の健全な発展、政治資金の透明性向上を図っていくうえで、クリーンな民間寄附の拡大を図っていくことが求められる。
そこで、経団連は、会員企業・団体に対し、自主的な判断に基づき、自由主義経済のもとで企業の健全な発展を促進し、日本再興に向けた政策を進める政党への政治寄附を実施するよう呼びかける。また、経団連としての政党の政策評価も実施していく。
あわせて、企業・経済界は、イノベーションの推進、投資および雇用の拡大を通じて経済の好循環の実現に努めていく。
【政治社会本部】