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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2014年10月16日 No.3196 「震災復興の今後の方向性に関する意見」を公表 -官民一体で復興を積極的に推進

経団連は14日、「震災復興の今後の方向性に関する意見」を公表した。

東日本大震災の発災から3年半余りが経過し、官民を挙げた関係者の懸命な努力により、多くの被災地で復旧に進展がみられるものの、本格復興の観点からは依然道半ばである。被災地では震災に関する記憶の風化を懸念する声も強まるなか、一日も早く本格復興に向けた道筋をつけ、持続可能な成長を実現することが課題となっている。

こうしたなか、集中復興期間の満了まで残り1年半を切り、その後を見据えた戦略と具体的施策の本格的な検討に着手する重要な局面を迎えている。また、「新しい東北」の実現がわが国の構造的課題の突破口となるよう、関係者が一丸となり、地方創生に向けた取り組みと一体的に、復興の加速に向けた取り組みを強化していく必要がある。

そこで、経団連では、今後の本格復興に向けた被災地域共通の課題に対する考え方について、意見書を取りまとめた。

ポイントは次のとおり。

■ 復興に関する基本方針・計画の見直し

「東日本大震災からの復興の基本方針」を踏まえ、各復興事業の進捗状況と地域ごとの復興の実態を速やかに精査・総括し、積み残し課題の特定と集中復興期間後の対応に関する検討を早期に行う必要がある。

従来の復旧から本格復興を主とした施策体系への移行を図るとともに、2020年の「新しい東北」の姿を描き、必要な財源を確保することが不可欠である。個別事業の効率化を図るとともに、メリハリをつけたかたちで真に必要な事業を実施する必要がある。

被災3県をはじめとする被災自治体には、人口減少・少子高齢化への対策をより強く意識した地域のグランドデザインづくりをはじめ、本格復興に向けてより主体的な役割を果たすことを期待するとともに、政府はこれを後押しする取り組みを展開すべきである。

■ テーマ別に求められる取り組み

立地競争力・成長力の強化については、(1)復興特区の活用等、域外から投資を呼び込むための大胆なインセンティブの積極的導入(2)イノベーション・クラスターの形成(3)ベンチャー立地の促進(4)一次産業の活性化・高付加価値産業化、地域商業の再生・集積、地域資源を活用した観光等の産業振興(5)放射線に関する科学的見地に立った情報発信、風評対策強化に向けた官民を挙げた取り組み――等を推進すべきである。

まちづくりについては、(1)東北全域でのまちのコンパクト化・スマート化、相互連携の推進(2)人口減少下における効率的なまちづくりの実現に向けた具体的な道筋と工程表の早期検討(3)被災者に対する心のケアをはじめとする、ソフト面での地道で粘り強い取り組み――等が求められる。

人材不足・人口減少への対応としては、(1)被災自治体への人材派遣の継続拡充(2)雇用のミスマッチの解消(3)建設分野における外国人(技能実習修了者)受け入れの緊急措置の着実な実施(4)人口減少社会への対応に向けた総合的取り組み――等を実施する必要がある。

◇◇◇

経団連としては、被災地が自らの足で立とうとする取り組みへの支援を中核として、官民一体で復興を積極的に推進していく。

※全文は http://www.keidanren.or.jp/policy/2014/085.html 参照

【産業政策本部】

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