経団連は12日、東京・大手町の経団連会館で望月義夫環境大臣との懇談会を開催した。環境省からは、望月大臣、北村茂男副大臣、小里泰弘副大臣、福山守大臣政務官ほか幹部らが、経団連からは、榊原定征会長、岩沙弘道審議員会議長、副会長らが出席した。
冒頭、榊原会長は、「環境問題に取り組むにあたっては、環境保全と経済成長の両立を可能とする、バランスの取れた政策の推進が大事であり、そのカギを握るのが環境技術の開発と普及である」と指摘。世界最高水準の環境技術の開発と普及に向け、産業界として「低炭素社会実行計画」をはじめとする主体的かつ積極的な取り組みを推進する旨決意を述べた。
続いて望月大臣が、「さまざまな環境政策を推進するにあたり、産業界との対話と連携を一層加速させたい」と発言。地球温暖化対策については、「2020年以降の新たな国際枠組みが15年末のCOP21(気候変動枠組条約第21回締約国会議)で決定される」ことになっており、「わが国の約束草案については、(1)13年末のCOP19における決定(2)各国の動向や将来枠組みにかかる国際交渉の状況(3)エネルギーミックスに関する国内の検討状況――等を踏まえて検討し、できるだけ早期に提出することを目指している」と説明した。そのうえで産業界に対しては、温室効果ガス削減に向けた取り組みを引き続き推進するよう求めた。
また循環型社会の形成について、「わが国の優れた廃棄物処理技術やリサイクル技術の海外展開を促進していきたいと考えており、産業界の協力をお願いする」との発言があった。
さらに生物多様性の保全について、「榊原会長には、国連生物多様性の10年日本委員会の委員長を務めていただき感謝する」としたうえで、「愛知目標の達成に向けて、経済界・行政・NPOのパートナーシップが重要であり、引き続き協力をお願いしたい」と述べた。
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その後の意見交換では、前述の地球温暖化対策、循環型社会の形成、生物多様性の保全のほか、災害廃棄物対策、20年東京オリンピック・パラリンピックに向けた環境対策、福島をはじめとする東北の復興、エネルギー政策などのテーマについて活発な議論が行われた。
懇談の最後には、望月大臣から、経団連会館で福島県産米を使用するよう要請があり、これを受け榊原会長から、早速対応すると回答した。
【環境本部】