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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2014年12月4日 No.3203 東海地方経済懇談会を名古屋で開催 -「日本再興を実現する」テーマに意見交換

経団連(榊原定征会長)と中部経済連合会(中経連、三田敏雄会長)、東海商工会議所連合会(東海連、岡谷篤一会長)は11月17日、名古屋市内で「東海地方経済懇談会」を開催した。経団連から榊原会長はじめ審議員会議長、副会長が、中経連および東海連からは三田会長、岡谷会長はじめ会員約270名が参加。「日本再興を実現する」を基本テーマに意見交換を行った。

懇談会に先立ち、三菱重工業航空宇宙システム製作所小牧南工場を視察。来年春に初飛行を予定している次世代民間旅客機「MRJ」(三菱リージョナルジェット)について説明を受けるとともに、組立工程などを見学した。

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開会あいさつで中経連の三田会長は、中部経済は全体的に緩やかな改善を続けているとしたうえで、中経連は次世代産業振興など「ものづくり」、人口減少社会に対応した「まちづくり」、産学連携による人材育成など「ひとづくり」を柱として活動を展開していると紹介。加えて、来年工事が開始されるリニア中央新幹線を活かしたまちづくりや地域振興策を官民が連携して進めると説明した。

続いてあいさつした経団連の榊原会長は、わが国の最重要課題はデフレから脱却し、経済再生を実現することとしたうえで、GDP速報値(11月17日発表)はマイナス成長となったものの、景気は緩やかな回復を続けていると述べた。また、名古屋大学の赤﨑勇特別教授と天野浩教授のノーベル物理学賞受賞は「技術立国」日本を先導する快挙と賞賛。企業は革新技術の開発を通じて新事業を起こしていく必要があるとし、東海地方の経済界の協力を得ながら経済再生の実現に取り組む決意を示した。

■ 活動報告

続いて経団連から、(1)規制改革の推進(小島順彦副会長)(2)経済連携の推進(勝俣宣夫副会長)(3)女性の活躍推進(宮原耕治副会長)――について、活動状況を報告した。

■ 意見交換

その後の意見交換では、東海地域からの八つの問題提起に対し、経団連から、(1)税制関連の取り組みとして、高齢者医療費への税投入拡充などを求める要望を発表(斎藤勝利副会長)、法人実効税率の来年度からの2%引き下げと、3年を目途とした20%台への引き下げを働きかける(佐々木則夫副会長)(2)エネルギーコスト抑制のため、再生可能エネルギー固定価格買取制度の抜本的見直しを検討すべき(木村康副会長)(3)ものづくりの競争力強化には、企業や大学などのコーディネーション高度化と、地域の独自性や実効性を担保する戦略が必要(古賀信行副会長)、学校教育、グローバル人材育成、女性活躍などが競争力を強化するうえでの課題(中西宏明副会長)(4)航空宇宙産業の振興策として、東海地域のアジアナンバーワン航空宇宙産業クラスター形成特区の取り組みに期待(大宮英明副会長)(5)リニア中央新幹線開業を見据えた取り組みでは、東海地域と首都圏の相互作用による新産業創造が経済再興に有効(岩沙弘道審議員会議長)(6)やる気ある中小企業への支援にあたっては、地元企業同士の補完関係を構築するなど、地域全体の活動とすることが地方活性化に資する(奥正之副会長)、若年者雇用や人材育成に熱心な中小企業を周知し、マッチングにつなげる必要がある(篠田和久副会長)(7)地方創生に向けた企業の役割として、国土強靭化に向けた機運を盛り上げ、安全で住みやすく魅力ある中部圏実現のための環境整備が必要(大塚陸毅副会長)、人口減少は切迫性をもって対応すべき問題であり、今後地方経済活性化の原点に立ち返り、雇用創出につながる施策の提言に取り組む(畔柳信雄副会長)(8)観光の振興にあたっては、広域連携による観光ルートの開発を進め、魅力を世界に発信することで、さらなる訪日旅行者受け入れを目指すべき(石原邦夫副会長)――などのコメントがあった。

三菱重工業航空宇宙システム製作所小牧南工場でMRJを視察する一行

【総務本部】

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