経団連は11月25日、経済広報センターとともに大阪市内で約480名の参加を得て「関西地区マイナンバーガイドライン説明会」を開催した。内閣官房社会保障改革担当室の阿部知明参事官、特定個人情報保護委員会の其田真理事務局長から、制度の概要ならびにマイナンバーガイドライン案の概要について説明を聞いた。
特定個人情報保護委員会は12月11日にガイドラインを確定し、公表(※)。今年度内に全国のブロックごとに説明会を開催していく意向である。ガイドライン公表に先立ち開催された同会合は、その最初の説明会となった。
説明の概要は次のとおり。
■ マイナンバー制度の概要=阿部参事官
マイナンバー制度は、複数の機関に存在する特定の個人の情報が同一人の情報であるということの確認を行うための基盤であり、社会保障・税・災害対策分野での行政手続等に利用される。2015年10月から個人番号・法人番号の通知が開始され、16年1月から国や地方公共団体などにおける利用および個人番号カードの交付が始まる。
このカードは個人からの申請に基づき市区町村が交付するもので、券面には、(1)氏名(2)住所(3)生年月日(4)性別(5)個人番号――の記載とともに本人の写真も表示され、それらの事項がICチップに記録される。政府としては、このカードの普及により、各種行政手続きのオンライン申請など、国民の利便性向上を目指している。
マイナンバー制度への国民の安心・安全の確保のため、制度とシステムの両面からの保護措置を講じており、個人情報の漏えいや不正利用等への万全の体制を整えている。
企業では、税務署に提出する法定調書等や健康保険・雇用保険・年金などの場面で提出を要する書面に、従業員等のマイナンバーを記載する必要がある。制度の円滑な導入に向け、今後、具体的な準備をお願いしたい。
■ マイナンバーガイドライン入門=其田事務局長
特定個人情報保護委員会は、番号法に基づき今年1月1日に設置され、マイナンバーの適正な取り扱いを確保するための事務を所掌している。番号法においては、マイナンバーをその内容に含む個人情報(特定個人情報)の適正な取り扱いを確保するため、各種の保護措置が設けられており、それらについて、具体例を用いてわかりやすく解説し、マイナンバーが実務の現場で適正に取り扱われるための具体的な指針を示すことを目的にガイドラインを作成した。従業員への給与の支払いや社会保険料等の徴収、有識者への原稿料の支払いなどを行う場合、マイナンバーの取得、保管、利用、提供、廃棄といった流れで関係事務や利用事務の実施を行っていただくことになるが、実務担当者のみならず、経営者にも、ぜひこのガイドラインを一読してほしい。マイナンバーの取り扱いにおいては、安全管理措置を講ずることが不可欠であり、中小規模事業者における対応方法も記しているため、参照願いたい。
※詳細は特定個人情報保護委員会ウェブサイト(http://www.cao.go.jp/bangouseido/ppc/)参照
【産業技術本部】