経団連の榊原定征会長は9日、東京・大手町の経団連会館で記者会見を行った。
発生から4年目を迎える東日本大震災の復興について、官民を挙げた関係者の懸命な努力により、多くの被災地域において災害廃棄物の処理や各種インフラの整備など復旧がかなり進んだことを評価。その一方で、本格復興に向けてはまだ途半ばの状況であり、さらなる復興の加速に向けて、今後は「産業復興」と「福島の復興」に集中的に取り組むべきと述べた。
特に、販路の回復・拡大等が課題となっている水産業・水産加工業や観光業等にとっては、風評被害の克服が不可欠と指摘。さらに、原子力発電所事故災害からの復興・再生には、息の長い取り組みが求められるとして、関係者のさらなる連携・協力の強化を求めた。また、経団連としては、復興庁や被災自治体への企業人材の派遣、マルシェなどを通じた被災地産品の消費拡大等の取り組みを一層強化していくとの方針を示した。
次に2014年10―12月期の実質GDP改定値が前期比年率プラス1.5%へ下方修正されたことについて、内訳をみると、個人消費はプラス0.7%ポイント(前期比年率寄与度、以下同様)からプラス1.2%ポイントへと上方修正され、在庫投資がプラス0.7%ポイントからマイナス0.7%ポイントへと下方修正されていると指摘。輸出の増加に伴い在庫の取り崩しが進んだとみられることから、来期以降の経済指標にはプラスに作用するとの期待を示した。
そのうえで、個人消費や輸出の持ち直しを背景に、景気は緩やかに回復しており、さらに今後、企業の国内回帰・国内投資の拡大が期待され、景気の回復がさらに進むとの見解を示した。
【社会広報本部】