Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2015年6月11日 No.3227  マルムストローム欧州委員会貿易担当委員と懇談

マルムストローム委員(右)と伊東審議員会副議長

経団連は5月29日、東京・大手町の経団連会館でセシリア・マルムストローム欧州委員会貿易担当委員との懇談会(座長=伊東信一郎審議員会副議長・経済連携推進委員長)を開催した。マルムストローム欧州委員の発言概要は次のとおり。

EU・日本双方にとって、当面の課題を解決し、将来にわたって繁栄を享受するためには成長が必要である。経済連携協定(EPA)は、そのための施策の一つとなり得るものである。より開かれた貿易は、輸出の拡大、企業の競争力向上、投資の拡大につながる。すでに緊密で堅固な経済関係にあるEU・日本間の貿易は比較的バランスが取れており、投資関係も緊密であるが、一層緊密な関係を構築する余地は残っている。EPAから得られるメリットは大きい。

日本は2015年中の日EU EPAの合意を主張しており、その熱意は共有するが、取りまとめる価値のある協定であるならば、正しく取りまとめなければならない。時期のみならず、内容についても野心的でなければならない。

具体的には、第1に、食品、農産品ならびに乗用車を含めて双方の関税の撤廃を目指すべきである。互いの核心的なセンシティビティは尊重しなければならないが、EUが韓国やカナダと交渉した結果に劣後することは受け入れられない。第2に、投資環境もカバーする必要がある。投資を双方向で拡大するとともに、バランスさせるような強力なツールが必要である。第3に、公共調達へのアクセスも確保する必要がある。例えば、日本の鉄道会社による無差別で透明な調達に関する合意から得られるのと同様のメリットを、中央・地方のあらゆるレベルの公共入札について実現したい。第4に、恐らくこれが最も重要なことだが、日EUの規制の調和を進めることである。ほとんど同じような試験を二度行わなければならないことがいまだにある。規制協力は、通商政策の未来を示すものである。国際基準に基づいて不必要で細かい規制の差異をなくすことでコストを削減し、成長を促す必要がある。経団連が3月に公表した提言において、こうした目的を強力に支持していることを歓迎する。提言が指摘するとおり、ギアチェンジが必要であり、EPA交渉はそのための絶好の機会である。既存の障壁に取り組むとともに、将来生じる障壁にも対応できるような仕組みを確立すべきである。よい協定を締結できれば、規制の相違を減らすだけでなく、国際基準の策定にも役立ち、開かれたグローバル市場の形成に貢献することができる。

以上のようなメリットは、EU・日本が共に高い志を持って最終的な目的に向かって努力して初めて得られるものである。できる限り早期に協定を締結する必要はあるが、重要なのは、いつ合意するかではなく、協定が繁栄と事業機会をもたらすかどうかである。EU側の準備はできている。最終的な目的に向け日本の経済界の支援を期待している。

【国際経済本部】