1. トップ
  2. Action(活動)
  3. 週刊 経団連タイムス
  4. 2015年6月25日 No.3229
  5. 第3回「シリーズ健康経営」セミナー

Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2015年6月25日 No.3229 第3回「シリーズ健康経営」セミナー -「健康経営推進に関わる情報開示や指標化の動き」

説明する武藤東燃ゼネラル石油社長

経団連事業サービス(榊原定征会長)は5月28日、東京・大手町の経団連会館で第3回「シリーズ健康経営」セミナーを開催した。今回は、金融・資本市場からみた健康経営の効用に関する考察、健康経営の促進や新産業創出に向けた経済産業省の施策動向のほか、東燃ゼネラル石油における健康施策の推進に向けた取り組みの紹介があった。

まず、日本政策投資銀行の大井孝光環境・CSR部課長は、環境やガバナンス等の非財務情報が重視される背景を解説したうえで、健康経営の取り組みを評点化し融資条件に反映する「DBJ健康経営格付融資」の運用を通じ(1)トップダウンによる推進(2)産業医等の専門職の活用(3)統括的視点で進める組織体制――が推進のカギと考察。また、健康管理が労務管理や安全・衛生上のリスクコントロール(守り)である一方、健康経営は、これに加え予防によるコスト抑制、職場環境の改善、生産性向上、優秀人材の確保、ブランド力向上など、健康増進と経済効果(企業価値向上)の同時達成(攻め)と整理し、効果指標の実例などを紹介した。

経済産業省の江崎禎英ヘルスケア産業課長は、公的保険外の予防・健康管理サービスを活用し、慢性期医療のあり方の転換や健康維持を兼ねた高齢者の社会参加促進など、医療・介護の体制再構築によって医療・介護費の適正化や地域経済の活性化を図ること、農業・観光等の地域資源とヘルスケアの融合による新産業創出など、健康寿命の延伸に関わる政策の全体像を俯瞰。そのうえで健康経営の政策的意義や「健康経営銘柄」の着眼点と効果を説明した。

最後に、東燃ゼネラル石油の武藤潤社長が、健康施策の推進にあたっての経営トップの役割と思いを語った。武藤氏は、安全・健康対策に終わりはなく、継続的に全員で取り組まねば、すぐに劣化しマンネリ・形骸化すると指摘。健康経営のエンジンは強力なリーダーシップであり、トップが自身の本気度を示すこと、コミュニケーションが極めて重要であり、有言実行、本音と建前の一致が大事と述べた。そのうえで同社のリスクアセスメントの仕組みや健康増進プログラムを説明。最後に安全・健康施策へのリソース投入の正しさとその効果を確信していること、DBJ健康経営格付取得と健康経営銘柄への選定を通じ、従業員が大事にされていると感じ、さらなる動機づけや励みへとつながることへの期待を述べた。

【経団連事業サービス】

「2015年6月25日 No.3229」一覧はこちら