■ 訪米ミッションの意義
日米関係はわが国にとって最も重要な二国間関係であり、日米同盟はアジア太平洋地域全体の平和と安定を確保するうえで必要不可欠な役割を担っている。経済面でも両国の結びつきは強い。日本にとって米国は第2位の貿易パートナーであると同時に最大の直接投資先である一方、米国にとっても日本からの直接投資は国別で2013年第1位、14年第2位となるなど、両国の経済交流は緊密の度を増している。
このように良好な関係を将来にわたり維持し、さらに強固なものとしていくために、TPP(環太平洋経済連携協定)の推進をはじめ両国経済関係のさらなる拡大と深化に向けて、経済界としても積極的に取り組んでいく必要がある。
こうした基本認識のもと、経団連(榊原定征会長)は6月28日から7月3日にかけて、3グループから構成される総勢約100名のハイレベル経済ミッションを米国に派遣した。経団連がこのように大規模なミッションを派遣するのは、初めてとなる。
■ 訪米ミッションの成果
ミッションは、ワシントンD.C.のほか、10州・14都市(3グループ合計)を訪問。各訪問先で連邦政府要人や連邦議員、州知事、州議会幹部、郡・市幹部、有識者、日米協会等との政策対話を精力的に行った。
ワシントンD.C.では榊原会長が全米商業会議所において講演を行ったほか、各訪問先では、TPPや投資拡大、各州におけるビジネス環境整備等、日米経済関係のさらなる強化に向けた方策について意見交換を行った結果、わが国にとって最も重要なパートナーであり、「不動の同盟国」である米国との関係を一層堅固なものとすることに寄与した。
また、一連の意見交換を通じて、アベノミクスはじめ日本経済の現状や日米関係の戦略的な重要性に関する経団連の考え方を発信し共通認識を深めたほか、TPP早期妥結の戦略的な重要性や日米経済関係のさらなる強化、進出日系企業への継続的な支援等について、各訪問先で認識を共有することができた。
経団連では、今次ミッションの成果も踏まえ、緊密な官民連携のもと、引き続き日米関係のさらなる拡大と深化に向けて取り組んでいく。
各グループ訪問概要(主な訪問・面会先)
Aグループ (32名)
団長:榊原定征 会長
- ワシントンD.C.
- フロマン米国通商代表、プリツカー商務長官、全米商業会議所、ハムレCSIS所長、タルボット・ブルッキングス研究所所長 等
- メリーランド州
- ホーガン州知事夫人、ルザーフォード副知事 等
- バージニア州
- マコーリフ州知事、ファレル・ドミニオン・リソーシズ社CEO 等
- サウスカロライナ州
- レザーマン州議会上院議長代行、ヒット州商務長官、ボーイング社チャールストン工場 等
Bグループ (43名)
団長:岩沙弘道 審議員会議長
- テキサス州(オースティン、サンアントニオ、ヒューストン)
- パーカー・ヒューストン市長、グリーン連邦下院議員、カストロ連邦下院議員、カスコス州務長官、ウー・テキサス州議会下院議員 等
- テネシー州(ナッシュビル)
- ハズラム州知事、ボイド州経済開発庁長官、ディーン・ナッシュビル市長、シュルツ・ナッシュビル商工会議所会頭兼テネシー日米協会理事長 等
- カリフォルニア州(ロサンゼルス、サンフランシスコ)
- キムラ全米日系人博物館館長兼CEO、オオタ日米文化会館理事、ジェイコブス・ロサンゼルス市首席補佐官代理、アントヴィッチ・ロサンゼルス郡スーパーバイザー、ポルティーヨ南カリフォルニア日米協会理事長、アーバー同会長、ロッシ・カリフォルニア州上級顧問、リー・サンフランシスコ市長 等
Cグループ (21名)
団長:石原邦夫 副会長・アメリカ委員長
- イリノイ州(シカゴ)
- ラウナー州知事、コッチ・シカゴ副市長、ウィンターズ州商業経済機会局次長、グラント・シカゴ日米協会会長 等
- インディアナ州(インディアナポリス)
- ペンス州知事、スミス商務長官・インディアナ経済開発公社総裁、イースタデイ・インディアナ商工会議所会頭、レックライター米日経済協議会会長、ハート・インディアナ日米協会会長 等
- オハイオ州(コロンバス)
- テイラー州副知事、ビーティ連邦下院議員、マスティンJobsOhio専務理事、庄司セントラルオハイオ日米協会会長、原セントラルオハイオ日系企業懇話会会長 等
- ニュージャージー州(トレントン)
- グアダーノ州副知事、キーン州議会共和党上院筆頭幹事、アジーア州知事首席補佐官、オルセン・ニュージャージー州経済開発公社CEO、ブラウンChooseNewJersey CEO 等
【国際経済本部】