Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2015年10月1日 No.3240  九州地方における企業による農業参入セミナーを開催 -企業参入の具体的事例や参入促進に向けた支援策

あいさつする十倉副会長・農業活性化委員長

経団連は9月10日、東京・大手町の経団連会館で九州経済連合会(九経連、麻生泰会長)との共催で「九州地方における企業による農業参入セミナー」を開催した。今年で3回目の開催となる同セミナーには、東京および九州の関係者約170名が参加。九州地方における企業の農業参入の具体的事例や、九州各県の支援策等について説明を受けるとともに、参加者同士で交流を深めた。

冒頭のあいさつで経団連の十倉雅和副会長・農業活性化委員長は「わが国農業の持続的発展を実現するためには、競争力強化を支える新たな担い手として、企業による農業参入を一層促進することが不可欠」と指摘。法制度等、企業の農業参入を促す環境が整いつつあるなか、九州地方における今後の取り組みへの期待等について言及した。

続いて、博多を中心にラーメン店「一風堂」を運営する力の源カンパニーの清宮俊之社長が、同社における農業事業への企業参入の実例について講演。清宮氏は、「高齢化に伴う農業従事者の減少により、圃場の空きが急増していたことから、大分県の久住高原に『農業生産法人くしふるの大地』久住農場を設立した。同農場では、社員一人ひとりに経営者としての認識を持たせ、各担当者が作付計画から栽培管理、出荷調整までのオペレーションを一貫して実行している」と述べた。また、「現地の農業大学校との連携のもと、宿泊型のインターンシップ事業を実施している。異業種の経営者との交流や調理実習など、通常の就農体験では得られないカリキュラムを実施することで、学生に農業経営の実態や農業のおもしろさを体験してもらっている」と、人材育成の重要性についても説明した。

講演する力の源カンパニー社長の清宮氏

その後、熊本県、大分県、宮崎県の担当者が、各県における農業の概況や企業参入の現状、企業参入促進に向けた支援体制の整備状況等について説明。各県における農業参入の魅力をアピールするとともに、九州地方での農業参入の検討を訴えかけた。

最後に、小池光一九経連農林水産委員長は、今年で3回目を迎える同セミナーが盛大に開催されたことへの謝辞を述べるとともに、九州では企業の農業参入を心から歓迎するとあらためて強調した。

【産業政策本部】