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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2016年1月1日 No.3252 第52回四国地域経済懇談会を開催 -「豊かで活力ある日本と四国の再生~四国から日本をせんたくいたし申候」をテーマに

経団連と四国経済連合会(四経連、千葉昭会長)は12月9日、高知市内で「第52回四国地域経済懇談会」を開催した。

懇談会には、経団連から榊原定征会長はじめ審議員会議長、副会長らが、四経連から千葉会長はじめ会員約120名が参加し、「豊かで活力ある日本と四国の再生~四国から日本をいたし申候」をテーマに、意見交換を行った。今回のテーマの副題は、坂本龍馬の「日本を今一度せんたくいたし申候」という言葉にちなんだもの。会合後のパーティーには尾崎正直高知県知事が出席し、参加者と懇談した。

開会あいさつで四経連の千葉会長は、少子化・人口減少の克服に向け、2015年5月に四経連と四国4県などで取りまとめた「四国少子化克服戦略」に基づき、4県との連携プロジェクトを立ち上げたこと、産業競争力強化に向け、紙産業など既存クラスターの強化、新たな成長産業の創出、四国遍路の世界遺産登録推進などに取り組んでいることを紹介。これらの進展にはインフラ整備が不可欠であり、日本で唯一の空白地域である四国にも新幹線整備が必要であるとの認識を示した。

続いてあいさつした経団連の榊原会長は、経済の回復ペースが鈍化するなか、今がデフレからの脱却と経済再生を確実に実現するための正念場との認識を示した。また、アベノミクスの第2ステージとして打ち出された新「三本の矢」の目指す目標は、「経団連ビジョン」で掲げた目標と軌を一にすると指摘。安倍政権の政策遂行に呼応し、積極果敢な経営を進めて、経済の好循環実現に経済界として寄与していく必要があると強調した。

意見交換

◇ 少子化・人口減少対策と産業振興

その後、2つのテーマを設定して行われた意見交換では、「少子化・人口減少対策と産業振興」に関する四経連の問題提起に対し、経団連から、(1)人口問題の解決に向け、有給休暇の取得促進や長時間労働の是正に企業として取り組む必要がある(岡本圀衞副会長)(2)少子化の克服には、地方がそれぞれに合ったオーダーメイドの取り組みを考えていくことが重要(荻田伍副会長)(3)造船・重機など既存産業の集積を活かし、海洋資源開発に取り組むことが産業振興の一案として考えられる(友野宏副会長)(4)イノベーション拠点の形成には、民間企業の活力に加えて自治体の積極的関与や地域の特色を活かすことが重要(内山田竹志副会長)(5)IoT(Internet of Things)の時代には、ICTを活用し、新産業の芽を結び合わせることによって産業基盤の強化が期待できる(中西宏明副会長)――との意見があった。

◇ 地方創生を支える観光振興とインフラ整備の推進

また、「地方創生を支える観光振興とインフラ整備の推進」に関する問題提起に対しては、(1)さらなる外国人の集客を図るには、四国4県を挙げた取り組みが重要であり、四国遍路の世界遺産登録に向けた活動を応援したい(岩沙弘道審議員会議長)(2)地理的に実現困難な「爆買いクルーズツアー」の誘致ではなく、日本周遊型のクルーズ客を対象にして、観光振興を行うべき(工藤泰三副会長)(3)訪れたいと思える観光・産業拠点づくりを通じて、四国のファンを増やすことが新幹線の早期整備への近道(石原邦夫副会長)――との意見があった。

最後に古賀信行副会長から、現場の生の声に基づき活発に議論できたとの総括とともに、経団連としても、四経連の取り組みを後押しするかたちで、地域の実情に合わせた政策提言活動を推進していくとのコメントがあった。

◇◇◇

強力吸引作業車のデモンストレーションを見学する一行(視察)

翌10日には、南国市内の兼松エンジニアリング明見工場を訪問。従業員の処遇改善など、同社の最近の取り組みについて佃維男社長から説明を受けるとともに、トップシェアを誇る強力吸引作業車や高圧洗浄作業車の組み立て工場を視察した。

【総務本部】

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