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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2016年3月24日 No.3263 榊原会長記者会見

経団連の榊原定征会長は22日、東京・大手町の経団連会館で記者会見を行った。

来年4月に消費増税が予定されるなか、榊原会長は景気対策に言及。来年度予算が今年度中に成立する見通しとなったことを受け、次なる施策を考えるべき段階にあるとした。現在、前回の消費増税に伴う駆け込み需要後の反動減もあって消費が足踏み状態を続けていることに触れ、GDP600兆円経済を実現するため、消費を現状の300兆円から360兆円程度まで拡大しなければならないと指摘。今後、官民で消費増税とは異なる次元での財政出動を含む、具体的な景気対策を詰めていくことが必要との認識を示した。

経団連は社会保障の充実と財政の健全化の観点から、来年4月に消費税率を予定どおり10%に引き上げるべきと考えており、そのためにも財政出動を含む景気刺激策、消費刺激策が不可欠と述べた。また、日本は5月の伊勢志摩サミットで議長国として需要喚起策を打ち出し、世界経済の成長を牽引する姿勢を示す必要があると指摘。サミットを前に思い切った景気対策を打ち出すことは自然な選択肢と説明した。

春季労使交渉については、一昨年、昨年と2年間続いた賃金引き上げのモメンタムを継続していくことが何より重要と強調。3年連続でのベアや、昨年を上回る賞与・一時金の回答がなされるなど、年収ベースでの賃金引き上げの動きが広がっており、3年連続の賃金引き上げに向けた順調な動きを評価した。

また、経団連ではベアや賞与だけでなく、非正規社員の正規化をはじめ総合的な処遇の改善を訴えてきたことに言及。正社員を上回る非正規社員の賃金引き上げや再雇用高齢者の処遇改善、介護・看護休暇制度の拡充、在宅勤務の要件緩和、所定労働時間の短縮などの回答が示されていることについて、労使が知恵を絞り、総合的な処遇改善を図った結果であると指摘。中小企業を含め、今後回答する企業にもこうしたモメンタムが継続されれば、経済の好循環の輪が加速・拡大していくとして期待を示した。

政府からの賃金引き上げの働きかけについては、社会全体の要請と受け止めており、これに十分配慮した回答結果が示されていると述べた。昨年よりも先行きが見通しにくい状況での交渉であったが、わが国の最重要課題であるデフレ脱却・経済再生のため、3年連続で賃金引き上げが実施されたことは、消費拡大への大きなインセンティブとなるとの見解を示した。

【広報本部】

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