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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2016年4月21日 No.3267 租税回避に対する国際的な連携強化と国内法制化に関する提言を公表 -「BEPSプロジェクトを踏まえた今後の国際課税に関する提言」

経団連は19日、「BEPSプロジェクトを踏まえた今後の国際課税に関する提言」を公表した。

BEPS(税源浸食と利益移転)とは、実質的な経済活動を行った国等から利益を税金の安い他国に移転するなどして不当に企業グループの税負担を軽くすることをいう。OECDはこれまで、多国籍企業の国際的な租税回避行為を防止するために、G20も検討に加わるかたちでBEPSプロジェクトを進め、2015年10月に最終報告書を公表した。現在は最終報告書を踏まえ、各国が租税回避防止のための措置を実行に移す局面にある。

最終報告書により、過度な租税回避行為の抑制による企業間の競争条件の均衡化や新興国も含めたルールの構築につながることが期待されている。ただし、企業の事務負担の増加や二重課税のリスクが増大するおそれがあり、注視する必要がある。

最終報告書を受けた今後の課題は大きく次の2点に分けられる。

第1は、国際的側面における課題である。具体的には、OECDの勧告内容について各国が一貫性のある実施をすることおよびその達成状況をモニタリングすることが重要であり、なかでも、今年度から開始する国別報告事項の一貫性のある実施が最も重要になる。国別報告事項は、日本でも平成28年度税制改正で制度化されたが、グループ連結売上1000億円以上の多国籍企業グループの最終親会社は、グループ傘下の子会社が所在する国・地域ごとの売上、利益、法人税額、従業員数等の情報を、親会社が所在する国に提出するとされており、この提出された情報はその子会社の進出先の国の課税当局との間でのみ共有され、一般公開はされないとして、OECDおよびG20で国際的に合意されている。

しかし、現在、欧州委員会において、この国際的合意では公開を認めていない国別報告事項を一般に公開することを提案している。この点、経団連としては、国別報告事項の守秘を徹底することが制度の大前提と考えており、欧州委員会の提案に懸念を表明している。

第2は、国内法制面での対応である。特に、CFC税制、いわゆるタックスヘイブン対策税制の改正に適切に対応することが必要となる。CFC税制とは、相対的に税負担の軽い外国子会社の所得のうち、実質的な経済活動を伴わないものを親会社の所得とみなして合算し、親会社において課税する制度である。CFC税制については、平成28年度与党税制改正大綱で「総合的な検討を行い、結論を得る」とされており、平成29年度税制改正において抜本的見直しが行われることが見込まれる。

経団連として、国内法制化にかかる課題については、租税回避の防止だけではなく、企業の競争力強化、コンプライアンス・コスト等のバランスに配慮することが重要であると指摘したうえで、実態のある航空機リース事業の取り扱いなど、喫緊の課題については早急に手当てを行うよう提言している。

※提言の詳細は経団連ウェブサイトに掲載

【経済基盤本部】

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